JRA競走馬総合研究所では、競走馬の気性(性格やストレスへの反応)筋肉の性質について科学的な研究が行われています。 こうした研究からは、競走馬の能力には遺伝だけでなく、育成環境や調教、筋肉の特徴など、さまざまな要素が関わっていることが分かってきました。

この記事では、JRA競走馬総合研究所が公開している研究内容をもとに、 「競走馬の能力は遺伝だけで決まるのか」という疑問について、 初心者にも分かりやすいよう専門用語をできるだけ噛み砕きながら解説します。

この記事はJRA競走馬総合研究所が公開している研究資料(Equine Science)を参考に、 専門的な内容を初心者向けに整理・解説したものです。 研究結果は個々の競走馬の能力やレース結果を保証するものではありません。

結論:競走馬の能力は遺伝だけでは決まらない

結論から言えば、競走馬の能力は遺伝だけでは決まりません。

もちろん、生まれ持った体質や気性、筋肉の特徴などには遺伝が影響すると考えられています。 しかし、それだけでレース結果が決まるわけではなく、 育成環境や調教方法、健康状態、その日の馬場状態やレース展開など、多くの要素が重なり合って能力が発揮されます。

つまり競走馬の強さは、 「生まれ持った素質」と「育成・調教・環境」が組み合わさって初めて形になるもの と考えるのが自然です。

遺伝

体質や気性など、生まれ持った特徴に関係する可能性がある

育成

調教や日常管理によって能力を引き出す重要な要素

筋肉

スピードや持久力などの運動能力に関係する可能性がある

環境

輸送、馬場状態、気温、レース展開なども能力発揮に影響する

競馬では「良い血統だから強い」と語られることがありますが、 実際には同じ父や母から生まれた馬でも、競走成績には大きな違いが見られます。 これは、生まれ持った素質だけでなく、その後の育成や経験も能力に影響しているためです。

「血統が良い=必ず強い」ではない理由

競馬ファンの間では血統は重要な情報として扱われています。 実際、種牡馬や繁殖牝馬の特徴から距離適性や芝・ダート適性を予想する場面も少なくありません。

しかし、血統はあくまで「能力の可能性を示す一つの要素」です。 優れた血統を持つ馬でも期待どおりに結果を残せないことがありますし、反対に目立たない血統から活躍馬が誕生することもあります。

競走馬は生き物であり、人間と同じように一頭一頭個性があります。 性格や成長速度、ストレスへの強さ、体の使い方などが異なるため、血統だけで将来の成績を決めることはできません。

初心者向けポイント

血統は「将来どんな特徴を持つ可能性があるか」を考えるヒントにはなりますが、 「血統が良いから必ず勝つ」という意味ではありません。 競馬では、血統だけでなく調教内容や当日の状態、レース展開などもあわせて見ることが大切です。

筆者も「血統がすべて」だと思っていた

私自身、競馬を始めた頃は「良い血統の馬ほど強い」と単純に考えていました。 実際、競馬中継や競馬新聞でも血統が大きく取り上げられるため、その印象を持つ人は少なくないと思います。

しかし、JRA競走馬総合研究所の研究を読んでみると、 気性や筋肉の性質、育成環境なども能力に深く関わっていることが分かりました。

もちろん、研究結果だけでレース結果を予測できるわけではありません。 それでも、「なぜこの馬は能力を発揮できたのか」「なぜ期待された馬が力を出し切れなかったのか」を考える視点が増えたことで、競馬を見る楽しみ方も以前より広がったと感じています。

JRA研究で注目された「気性」と遺伝子

こうした競走馬の能力を考えるうえで、JRA競走馬総合研究所が注目したテーマの一つが「気性(性格や行動特性)」です。

競走馬は速く走る能力だけでなく、人に扱われながら調教を受け、輸送され、ゲートに入り、多くの観客がいる競馬場でレースを行います。 そのため、能力を十分に発揮するには落ち着いて行動できることも重要な要素になります。

HTR1A遺伝子とは何か

JRA競走馬総合研究所の研究では、競走馬の行動特性に関わる可能性がある遺伝子として、 HTR1A遺伝子が取り上げられています。

HTR1A遺伝子は、セロトニン受容体に関係する遺伝子です。 セロトニンは、不安やストレス反応、落ち着きなどに関わる神経伝達物質として知られています。

初心者向けに簡単にいうと:

HTR1A遺伝子は、馬の「落ち着きやすさ」や「ストレスへの反応」に関係する可能性がある遺伝子です。 ただし、この遺伝子だけで馬の性格や競走能力が決まるわけではありません。

競走馬は、育成や調教の中で人に触れられたり、馬具をつけたり、ゲート練習をしたりします。 こうした場面で落ち着いて対応できるかどうかは、競走馬として成長していくうえで重要です。

JRA研究で調べられた「扱いやすさ」と遺伝子の関係

HTR1A遺伝子研究の流れ
JRA競走馬総合研究所が実施したHTR1A遺伝子研究の概要。 167頭の若馬を対象に、扱いやすさと遺伝子との関連を統計的に調査しました。

研究では、167頭のサラブレッドを対象に、育成期の扱いやすさとHTR1A遺伝子の関係が調べられました。 その中で注目されたのが、HTR1A遺伝子の一部であるc.709G>Aという多型です。

多型とは、同じ遺伝子の中に見られる個体差のようなものです。 人間でも体質や性格に個人差があるように、馬にも生まれ持った反応の違いがあります。

HTR1A遺伝子

ストレス反応や落ち着きに関係する可能性がある遺伝子

c.709G>A

HTR1A遺伝子の中に見られる違いの一つ

多型

同じ遺伝子の中にある個体差のようなもの

扱いやすさ

育成や調教の中で、人が管理しやすいかに関わる行動特性

この研究では、HTR1A遺伝子のc.709G>Aという多型と、育成期の扱いやすさとの間に関連が見られたと報告されています。

ただし、これは「その遺伝子型なら必ず扱いやすい」「必ず気性が難しい」という意味ではありません。 あくまで、複数の馬を調べた中で見られた傾向として理解することが大切です。

「扱いやすさ」はレース以前の大事な要素

競馬を見るとき、多くの人はレースでのスピードや着順に注目します。 しかし、競走馬はレースに出る前から多くの場面で人と関わっています。

  • 日常管理
  • ブラッシングや手入れ
  • 馬具への慣れ
  • 調教
  • ゲート練習
  • 輸送

こうした場面で落ち着いて対応できる馬は、調教や管理が進めやすいと考えられます。 反対に、強く怖がったり、反抗したり、環境の変化に過敏に反応したりする馬は、能力以前に精神面で課題が出ることがあります。

つまり、扱いやすさは単なる「性格の良さ」ではなく、競走馬が能力を発揮するための土台にも関係する要素です。

気性は「能力を出し切れるか」に関係する

気性が難しい馬でも、高い能力を持つ馬はいます。 実際に、テンションが高かったり、折り合いに課題があったりしても、強い走りを見せる馬は少なくありません。

ただし、気性面に課題があると、その能力を安定して発揮しにくい場合があります。 たとえば、レース前にテンションが上がりすぎる馬は、発走前に余計なエネルギーを使ってしまうことがあります。

また、ゲート入りを嫌がる馬や、輸送後に落ち着きを失いやすい馬は、本来の力を出し切れないこともあります。 そのため、競走馬の能力を見るときは、単純なスピードだけでなく、気性面も重要な視点になります。

  • パドックで落ち着いて歩けているか
  • 返し馬で力みすぎていないか
  • ゲート入りに不安がないか
  • レース中に折り合えているか
  • 輸送や環境の変化に過敏すぎないか

このように、気性は単なる性格ではなく、競走馬が持っている能力をレースで出し切れるかどうかに関係する重要な背景要素といえます。

初心者が気性を見るときの注意点

気性を見るといっても、初心者がパドックだけで正確に判断するのは簡単ではありません。 落ち着いて見える馬が必ず好走するわけではなく、少し気合いが入っているくらいの方が良い馬もいます。

大切なのは、「落ち着いているかどうか」だけで決めつけるのではなく、 その馬の過去のレース内容や、いつもの様子と比べてどうかを考えることです。

初心者向けポイント:

気性は「落ち着いていれば良い」「テンションが高いから悪い」と単純に判断するものではありません。 その馬にとって普段どおりか、レース前に力を使いすぎていないかを見る意識が大切です。

牝馬でより強く傾向が見られた点も興味深い

JRA競走馬総合研究所の研究では、HTR1A遺伝子のc.709G>Aと扱いやすさとの関連について、 牝馬でより強い傾向が見られたことも報告されています。

これは、「牝馬だから気性が難しい」「この遺伝子型だから必ず扱いづらい」という意味ではありません。 研究対象となった集団の中で、そのような傾向が確認されたという結果です。

競走馬は一頭ごとに性格や育成環境が異なります。 同じ遺伝子型でも調教方法や経験によって行動は変化するため、遺伝だけで性格や競走能力を判断することはできません。

ここが大切なポイント

  • 研究は「傾向」を示すものである
  • 個々の競走馬を断定できるものではない
  • 育成や経験によって行動は変わる可能性がある

科学研究では、「○○だから必ずこうなる」と結論づけることはほとんどありません。 競走馬も人間と同じように個体差が大きく、複数の要因が重なって性格や能力が形づくられていきます。

競走馬は経験によっても成長する

遺伝的な特徴がある一方で、競走馬は日々の経験によっても大きく成長します。

育成牧場では、人に慣れることから始まり、馬具を装着する練習、ゲート練習、集団での調教など、少しずつ競走馬として必要な経験を積んでいきます。

最初は周囲の音に驚いていた馬でも、経験を重ねることで落ち着いて行動できるようになることがあります。 こうした変化は、遺伝だけでは説明できない部分です。

つまり競走馬は、生まれ持った素質だけで完成するのではなく、 経験を積み重ねながら能力を伸ばしていく動物だと考えることができます。

筋肉の違いも競走能力に関係する

競走馬の能力を考えるうえでは、気性だけでなく筋肉の性質も重要です。 JRA競走馬総合研究所では、筋肉に含まれる成分についても研究が行われています。

その中で注目されているものの一つがカルノシンです。

カルノシンとは?

カルノシンは筋肉の中に存在する成分で、運動時の疲労に関係すると考えられています。 人間のスポーツ科学でも研究されている物質で、競走馬でも筋肉の働きとの関係が調べられています。

激しい運動をすると、筋肉には疲労物質が蓄積していきます。 カルノシンは、その影響を和らげる働きがある可能性があり、 長く高いパフォーマンスを維持するうえで重要な役割を持つと考えられています。

もちろん、カルノシンが多ければ必ず勝てるというわけではありません。 しかし、競走馬の能力を科学的に考えるうえで、筋肉の性質も重要な研究テーマになっています。

筋肉は「速く走る」だけではない

競馬では、「スピードがある馬」が注目されがちです。 しかし、実際のレースでは速く走る能力だけでは勝ち切れないことも少なくありません。

例えば、ハイペースのレースでは、前半で速く走りすぎると最後の直線で失速してしまうことがあります。 逆に、最後まで脚色が衰えず伸び続ける馬もいます。

こうした違いには、筋肉の性質やスタミナ、心肺機能など、さまざまな要素が関係していると考えられています。

  • スタート直後の加速力
  • スピードを維持する能力
  • 最後まで脚を使える持久力
  • 疲労から回復する力

つまり、競走馬の筋肉は「速く走るため」だけではなく、 最後まで能力を維持するためにも重要な役割を果たしています。

筆者も「速い馬が強い」と考えていた

競馬を始めた頃の私は、「スタートが速い馬」「最高速度が高い馬」が強いと思っていました。 しかし、レースを見続けるうちに、それだけでは説明できない場面が数多くあることに気付きました。

直線で一気に差し切る馬、最後まで脚色が衰えない馬、厳しいペースでも粘り続ける馬など、それぞれ異なる強さがあります。

JRA競走馬総合研究所の研究を読んでからは、 筋肉の特徴や疲労への強さも競走能力の一部なのだという視点を持つようになりました。

もちろん、観戦者が筋肉の状態を直接確認できるわけではありません。 それでも、「速いかどうか」だけではなく、「最後まで力を出し切れるか」という視点を持つことで、競馬を見る楽しみ方が広がったと感じています。

スピードだけでなく「持続力」も競走能力を考えるうえで重要

競馬では、スタートから速く走れる馬が有利になる場面もあります。 しかし、すべてのレースで「一番速い馬」が勝つとは限りません。

レースは距離やペース、馬場状態、展開によって求められる能力が変わります。 短距離戦では瞬発力が重要になる一方で、中距離や長距離では最後まで脚を使い続けられる持続力が勝敗を左右することもあります。

そのため、競走馬の能力を見るときは、単純な最高速度だけでなく、 「どれだけ長く能力を維持できるか」という視点も重要になります。

持続力を見るポイント

  • 速いペースでも最後まで失速しにくいか
  • 直線で再び加速できる余力があるか
  • 長めの距離でも走りが安定しているか
  • 厳しい展開でも粘り強く走れているか

こうした特徴には、筋肉の性質だけでなく、心肺機能や気性、調教内容なども影響すると考えられています。 つまり、「持続力」は一つの要素だけで決まるものではなく、さまざまな能力が組み合わさって生まれるものです。

競走馬の強さは「心」と「体」のバランスで決まる

ここまで紹介してきたように、競走馬の能力は一つの要素だけでは説明できません。

例えば、優れた筋力を持っていても、レース前に極度の緊張で力を使い切ってしまえば、本来の能力を発揮できないことがあります。 反対に、気性が安定していて調教を順調に積める馬は、能力を伸ばしやすい場合があります。

JRA競走馬総合研究所の研究を見ても、 気性・筋肉・育成・環境などが互いに影響し合いながら競走能力につながっていることが分かります。

つまり競走馬の強さは、 「血統」 「スピード」 だけではなく、 心(気性)と体(筋肉や体力)の両方がかみ合ったときに発揮されやすい と考えることができます。

遺伝的な体質や気性

生まれ持った特徴が能力発揮の土台になることがあります。

筋肉や体力

スピード、持久力、疲労への強さに関係する要素です。

育成・調教

素質を実戦で発揮できる形に整える重要な過程です。

レース当日の環境

健康状態、馬場、展開、騎手とのコンビネーションも関係します。

初心者が競馬を見るときに活かせる視点

こうした研究を知ると、競馬の見方も少し変わってきます。 人気やオッズだけを見るのではなく、 「なぜこの馬は能力を発揮できたのか」 「なぜ期待された馬が力を出し切れなかったのか」 という背景にも注目できるようになります。

もちろん、研究内容だけでレース結果を予想することはできません。 しかし、競走馬を一頭のアスリートとして見る視点が増えることで、競馬をより深く楽しめるようになります。

① パドックでは気性も観察してみる

パドックでは馬体だけでなく、歩き方や落ち着き方も観察できます。 極端に興奮していたり、周囲を気にしすぎていたりする場合は、本来の能力を発揮しにくい可能性もあります。

  • 落ち着いて歩けているか
  • 周囲を気にしすぎていないか
  • 汗をかきすぎていないか
  • 必要以上に力んでいないか

ただし、馬にはそれぞれ個性があります。 活気がある方が良いタイプもいるため、一つの様子だけで判断しないことが大切です。

② レース内容から持続力を考えてみる

競走馬の能力を見るときは、着順だけではなくレース内容にも注目してみましょう。

例えば、最後まで脚色が衰えなかった馬や、厳しいペースでも粘った馬は、持続力に優れている可能性があります。 反対に、序盤は勢いがあっても最後に失速した場合は、スタミナや展開の影響を受けたのかもしれません。

  • 直線で伸び続けていたか
  • 最後まで粘れていたか
  • 厳しい流れでも崩れなかったか
  • 距離が変わるとパフォーマンスも変わるか

③ 一つの要素だけで判断しない

競馬では、「血統が良いから勝つ」「パドックが良いから勝つ」といった単純なものではありません。

今回紹介したように、競走馬の能力には遺伝、筋肉、気性、育成、調教、馬場状態、展開など、多くの要素が関係しています。 一つだけを見て判断するのではなく、複数の情報を合わせて考えることが大切です。

初心者へのアドバイス

競馬は「答えを当てるゲーム」ではなく、「さまざまな情報を組み合わせて考えるスポーツ」と捉えると、結果だけでなく過程も楽しめるようになります。

注意:研究結果をレース予想に直結させすぎない

ここまで紹介してきたJRA競走馬総合研究所の研究は、競走馬を科学的に理解するうえで非常に興味深い内容です。 しかし、こうした研究結果をそのまま「レース予想の正解」として考えるのは適切ではありません。

例えば、「HTR1A遺伝子があるから走る」「カルノシンが多いから勝てる」といった単純な話ではありません。 研究はあくまで「こうした傾向が見られた」ことを示すものであり、個々のレース結果を予測するものではないからです。

大切なポイント

研究結果は、競走馬を理解するための参考資料です。 特定の馬の勝敗や馬券の的中を保証するものではありません。

競馬の結果には、遺伝や筋肉の特徴以外にも数多くの要素が関係します。

  • 馬場状態(良・稍重・重・不良)
  • レース展開やペース
  • 枠順
  • 騎手の判断や騎乗内容
  • 当日の体調や馬体重
  • 輸送による疲労
  • 天候や気温
  • 他馬との位置取り

これらの条件が毎回異なるため、研究で分かった一つの特徴だけでレース結果を説明することはできません。

研究を知ることで競馬の楽しみ方は広がる

研究結果は「勝つ馬を見つける魔法の情報」ではありません。 しかし、競走馬をより深く理解する材料としては非常に価値があります。

例えば以前は、 「今日は調子が悪かった」 「気性が難しい馬だから仕方ない」 といった言葉を何となく聞き流していました。

しかし研究を読むようになってからは、 気性や筋肉の特徴にも科学的な背景があることを知り、 競走馬を見る視点が以前より広がりました。

もちろん、一般の観戦者が遺伝子や筋肉の状態を直接確認できるわけではありません。 それでも、「能力にはさまざまな要素が関わっている」ということを知っているだけで、レース観戦はより奥深く感じられます。

初心者はどのように活かせばよい?

初心者の場合は、今回紹介した研究を「競馬を見る視点を増やす知識」として活用するのがおすすめです。

最初から遺伝子や筋肉の研究を細かく覚える必要はありません。 まずは競馬新聞やパドック、レース映像を見ながら、 「気性も能力の一部なんだ」 「最後まで脚を使えることも重要なんだ」 という程度に理解しておくだけでも十分です。

初心者におすすめの見方

  • 血統だけで能力を判断しない
  • パドックで落ち着きも観察してみる
  • レース内容から持続力にも注目する
  • 一つの情報だけで結論を出さない

競馬はさまざまな情報を組み合わせながら楽しむスポーツです。 今回紹介した研究も、その一つの視点として取り入れることで、競走馬への理解をより深められるでしょう。

まとめ:競走馬の能力は「遺伝・気性・筋肉・環境」の組み合わせで発揮される

競走馬の能力は、遺伝だけで決まるものではありません。 JRA競走馬総合研究所の研究からは、気性に関わる遺伝的な特徴や、筋肉の性質が競走能力に関係している可能性が示されています。

一方で、育成や調教、健康状態、レース当日の環境なども能力発揮には欠かせない要素です。 そのため、「血統が良いから必ず勝つ」「特定の遺伝子があるから強い」といった単純な考え方では競馬を説明できません。

私自身も以前は「血統がすべて」だと思っていましたが、研究を読むようになってからは、競走馬は心と体、そして育成環境が組み合わさって能力を発揮するアスリートなのだと考えるようになりました。

こうした視点を持つことで、着順だけではなく、 「なぜこの馬は力を発揮できたのか」 「なぜ能力を出し切れなかったのか」 という背景にも興味を持てるようになります。

競馬は予想を楽しむだけでなく、競走馬という動物の奥深さを知ることも魅力の一つです。 JRAの研究成果も参考にしながら、ぜひ新しい視点で競馬を楽しんでみてください。