結論:アドバンテストは半導体テスタで稼ぐ会社
アドバンテストの収益の中心は、SoC・メモリ半導体を試験するテストシステムです。 2026年3月期はテストシステム事業が連結売上高の約90.3%を占めました。 製品納入後には、サポート・サービスやテスト用インタフェースボードなどの消耗品販売も発生します。
売上と利益を見るうえでは、AI・HPC・高性能DRAM向け需要、顧客の設備投資、 高収益製品の構成、供給能力、在庫・営業債権、営業キャッシュ・フローが重要です。 一方、市場シェア、個別顧客名、機種別売上、受注残は今回の決算短信では確認できません。
アドバンテストは何で稼ぐ?ビジネスモデルの要点
アドバンテストは、半導体の性能や品質を試験するテストシステムを販売し、 導入後のサービスと消耗品でも売上を得る企業です。 2026年3月期から報告セグメントを「テストシステム事業」と 「サービス他」の2区分に変更しています。
主力事業
テストシステム事業が売上高の約90.3%を占めます。
需要の源泉
半導体の生産数量、複雑化、性能向上、設備投資です。
継続収入
設置台数の増加はサポート・サービスと消耗品販売につながります。
販売地域
海外売上比率は97.8%で、アジアの比重が高い構造です。
2026年3月期の連結売上高は1兆1,286億10百万円、 営業利益は4,991億20百万円、売上高営業利益率は44.2%でした。 出典は決算短信PDF 1ページです。 高収益製品の販売比率上昇が、増収とともに営業利益拡大へ寄与したと会社は説明しています。
3分でわかるアドバンテストの稼ぎ方
アドバンテストの事業を短く整理すると、半導体メーカーなどの顧客へテストシステムを販売し、 装置の納入後もサポート・サービスや消耗品を提供するビジネスです。 2026年3月期は売上の約90.3%をテストシステム事業が占めました。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 何を売っている? | SoC・メモリ半導体を試験するテストシステム |
| 何で稼ぐ? | 装置販売が中心。設置後のサービス・消耗品でも売上を得る |
| 売上はどこから? | テストシステム事業が約90.3%、地域ではアジアが約91.8% |
| 利益率は? | 2026年3月期の売上総利益率は約64.3%、営業利益率は44.2% |
| 何を確認する? | AI・HPC需要、製品構成、供給能力、在庫、営業キャッシュ・フロー |
一言で表すと
高性能半導体の試験需要を装置売上へ変え、設置後のサービス機会も積み上げる会社です。 ただし、装置売上の比率が高いため、顧客の設備投資が弱まると業績が変動しやすい点には注意が必要です。
何を売っている会社なのか
テストシステム事業では、SoCテストシステムとメモリテストシステムを扱います。 2026年3月期は、HPCデバイスやAI関連半導体を含む高性能SoC向け、 高性能DRAM向け、不揮発性メモリ向けの販売動向が説明されています。
サービス他は、テストシステム事業に関連した総合的な顧客ソリューション、 ナノテクノロジー関連製品、サポート・サービス、 テスト用インタフェースボードなどの消耗品販売で構成されます。 製品本体の販売だけで終わらない事業構造です。
| 区分 | 資料で確認できる製品・サービス | 関連する半導体・用途 |
|---|---|---|
| SoCテストシステム | SoC半導体を試験するシステム | HPCデバイス、AI関連半導体、高性能SoC、成熟半導体 |
| メモリテストシステム | メモリ半導体を試験するシステム | 高性能DRAM、不揮発性メモリ |
| サービス他 | サポート、消耗品、顧客ソリューション、ナノテクノロジー関連製品 | 設置済み製品、テスト用インタフェース等 |
決算短信はテスタの個別機種、価格、性能、台数、 SoC向けとメモリ向けの売上内訳を開示していません。 「どのテスタが最も稼ぐか」は資料から判断できません。
製品・サービスはどこで使われるのか
テストシステムは、半導体を製造する過程で性能や品質を確認するために使われます。 2026年3月期は、データセンタ向けHPCデバイス、 AI関連高性能半導体、高性能DRAMの需要がテスタ販売を牽引しました。
一方、自動車や産業機器関連などの成熟半導体向けテスタ需要は軟調でした。 同じ半導体市場でも、AI関連と成熟半導体では需要の方向が異なります。 市場全体の成長率だけでアドバンテストの売上を説明することはできません。
サービス他は、設置した製品の稼働を支えるサポートや、 テスト時に使用するインタフェースボード等を提供します。 テスタ設置台数の増加が、将来のサービス・消耗品需要へつながる構造を持ちます。
誰が顧客なのか
資料から確認できる顧客像は、半導体テスタへ設備投資を行う企業、 導入済み製品のサポートを必要とする企業、 テスト用消耗品を購入する企業です。 会社は顧客の旺盛な設備投資意欲に応えるため供給能力を拡大したと説明しています。
個別顧客名、顧客別売上高、上位顧客依存度は開示されていません。 AI関連、高性能DRAM、HPCという用途から、 特定の半導体メーカーや設計会社を顧客として推測することはできません。
調達から販売・サポートまでの流れ
テスタ需要を受けて部材を調達し、製品供給能力を使って製造・納入し、 売上を計上するのが装置販売の基本的な流れです。 貸借対照表には棚卸資産、営業債権、営業債務が計上され、 製造・販売・回収の時間差が財務数値に表れています。
主要部材、仕入先、製造工程、納入から売上認識までの契約条件は資料にありません。 受注高・受注残も非開示であるため、 注文から売上計上までの期間は判断できません。
売上が生まれるまでの流れ
半導体の生産数量が増えたり、構造が複雑になったり、 性能が高くなったりすると、試験に求められる能力やテスタ需要が変化します。 顧客が設備投資を行い、アドバンテストが製品を納入することで売上が生まれます。
装置販売は顧客の設備投資による変動を受けやすい一方、 サービス・消耗品は設置台数の増加と結び付きます。 ただし、サービス契約の継続率、消耗品の交換周期、 設置台数は資料に記載されていません。
アドバンテストの主力事業と売上構成
2026年3月期の外部顧客への売上高は、 テストシステム事業1兆193億80百万円、 サービス他1,092億30百万円でした(PDF 12ページ)。
| 区分 | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|
| テストシステム事業 | 1兆193億80百万円 | 約90.3%(編集部計算) |
| サービス他 | 1,092億30百万円 | 約9.7%(編集部計算) |
| 連結合計 | 1兆1,286億10百万円 | 100.0% |
構成比はセグメント売上高を連結売上高で割った編集部計算です。 売上の約9割を装置販売が占めるため、 半導体設備投資と高性能半導体向け需要の影響が大きい構造です。
アドバンテストの利益が生まれる仕組み
IFRS連結損益計算書では、売上高から売上原価を差し引いて売上総利益を求め、 販売費及び一般管理費、その他の収益・費用を反映して営業利益を求めます。 2026年3月期の数値はPDF 8ページに記載されています。
| 項目 | 2026年3月期 | 売上高比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,286億10百万円 | 100.0% |
| 売上原価 | 4,025億3百万円 | 約35.7%(編集部計算) |
| 売上総利益 | 7,261億7百万円 | 約64.3%(編集部計算) |
| 販売費及び一般管理費 | 2,296億28百万円 | 約20.3%(編集部計算) |
| 営業利益 | 4,991億20百万円 | 44.2% |
会社は、高収益製品の販売比率上昇が営業利益拡大へ寄与したと説明しています。 ただし、個別製品の粗利益率、価格、原価、台数は非開示です。 全社売上総利益率から機種別利益率を推測することはできません。
アドバンテストの利益率は高い?
2026年3月期の売上高は1兆1,286億10百万円、売上総利益は7,261億7百万円、 営業利益は4,991億20百万円でした。公表値を基に計算すると、 売上総利益率は約64.3%、営業利益率は44.2%です。
| 指標 | 2026年3月期 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 売上原価率 | 約35.7% | 売上のうち製品・サービスの原価に回った割合 |
| 売上総利益率 | 約64.3% | 製品・サービスそのものの採算を全社ベースで見る指標 |
| 販管費率 | 約20.3% | 販売・管理・研究開発などを含む費用負担を見る目安 |
| 営業利益率 | 44.2% | 本業に関連する営業活動から残った利益の割合 |
利益率が高く見える主な理由
会社は、高収益製品の販売比率上昇が営業利益拡大へ寄与したと説明しています。 つまり、売上高が増えただけでなく、利益を生みやすい製品の構成比が上がったことが重要です。 一方、機種別の販売価格、原価、粗利益率は非開示であり、どの製品が何%の利益率なのかは判断できません。
利益率を見るときの注意点
1年分の高い利益率だけで長期的な競争優位を断定することはできません。 AI・HPC向け需要、製品構成、設備投資サイクル、一時損益、株式報酬費用などを分けて確認する必要があります。
アドバンテストはなぜ儲かるのか
2026年3月期の資料から読み取れる増収・増益の仕組みは、 高性能半導体の需要拡大、顧客の設備投資、供給能力の強化、高収益製品の構成比上昇が 連鎖したことです。
高性能化
半導体が複雑になるほど、試験に求められる能力も変化します。
設備投資
顧客が新しい試験設備へ投資することで装置売上が生まれます。
製品構成
高収益製品の販売比率が上がると、売上以上に利益が伸びる場合があります。
供給能力
需要が強い時期に製品を納入できる能力が売上への転換を左右します。
設置後収入
装置の設置台数増加はサービス・消耗品の機会につながります。
ただし、サービス契約の継続率、消耗品の交換周期、製品別利益率、顧客別売上は開示されていません。 そのため、継続収入の安定性や顧客単位の収益性までは今回の資料だけで判断できません。
アドバンテストの地域別売上と海外事業
会社公表の2026年3月期海外売上比率は97.8%です(PDF 4ページ)。 顧客所在地に基づく地域別売上高は、 日本251億37百万円、米州444億74百万円、 欧州231億49百万円、アジア1兆358億50百万円でした(PDF 13ページ)。
| 地域 | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|
| 日本 | 251億37百万円 | 約2.2%(編集部計算) |
| 米州 | 444億74百万円 | 約3.9%(編集部計算) |
| 欧州 | 231億49百万円 | 約2.1%(編集部計算) |
| アジア | 1兆358億50百万円 | 約91.8%(編集部計算) |
アジアには台湾、中国、韓国、マレーシア等が含まれます。 国別売上や地域別利益は非開示です。 2026年3月期の平均為替レートは米ドル150円、ユーロ173円でした。 為替の業績影響額は資料から判断できません。
売上と利益を左右する要因
テスタ需要は、半導体の生産数量、複雑化、性能向上、 顧客の設備投資によって変動します。 2026年3月期はAI関連の高性能半導体向け需要が拡大する一方、 自動車・産業機器関連の成熟半導体向け需要は軟調でした。
半導体の複雑化
試験に求められる能力が高まり、テスタ需要へ影響します。
生産数量
半導体の生産増加は試験設備の需要を動かします。
設備投資
顧客の投資意欲と投資時期が装置販売を左右します。
製品構成
高収益製品の販売比率が利益率へ影響します。
供給能力
旺盛な需要へタイムリーに納入できるかが売上を左右します。
設置台数
設置済み製品の増加はサービス・消耗品需要につながります。
AI需要はアドバンテストの業績にどう影響するか
2026年3月期は、データセンタ向けHPCデバイスやAI関連の高性能半導体、 高性能DRAM向け需要がテストシステム販売を牽引しました。 AI需要はアドバンテストへ直接売上をもたらすのではなく、 高性能半導体の生産・複雑化と顧客のテスタ設備投資を通じて業績へ影響します。
| 段階 | 確認ポイント |
|---|---|
| AI計算需要の増加 | データセンタやHPC向け高性能半導体の需要が強いか |
| 半導体の高性能化 | SoCや高性能DRAMの試験要件が高度化しているか |
| 顧客の設備投資 | 需要見通しが実際のテスタ投資へ変わっているか |
| 供給・納入 | アドバンテストが必要な時期に製品を供給できるか |
| サービス機会 | 設置台数増加がサポート・消耗品売上へ波及するか |
AI市場が伸びても売上が必ず増えるわけではない
AI関連半導体の需要が増えても、顧客が既存設備で対応する場合や、設備投資を延期する場合、 アドバンテストの供給が間に合わない場合には、同じ速度で売上が増えるとは限りません。 「AI市場の成長」と「テストシステム売上」を同じものとして扱わないことが重要です。
固定費・変動費・製品構成
決算短信からは売上原価と販管費を確認できますが、 材料費、労務費、外注費、固定費、変動費の内訳は分かりません。 テスタ1台当たりの原価やサービス部門の費用構造も非開示です。
会社は高収益製品の販売比率上昇を増益要因としているため、 売上高だけでなく製品構成が利益率を動かします。 ただし、「高収益製品」の個別名称、売上比率、利益率は資料から判断できません。
サービス他の2026年3月期利益には事業の一部譲渡益25億4百万円が含まれます。 継続的なサービス収益力を比較する際は、この一時的な利益を区別する必要があります。
供給能力が重要な理由
テスタ需要が増えても、必要な部材、人員、製造能力が不足すれば、 顧客が求める時期に納入できません。 2026年3月期は、旺盛な需要に対する製品供給能力の強化が テストシステム事業の売上拡大へ寄与したと会社は説明しています。
2026年3月期末の有形固定資産は1,016億28百万円で、 前期末から230億26百万円増加しました。 有形固定資産取得による支出は330億12百万円でした(PDF 7・10ページ)。 ただし、生産能力の具体的な台数や稼働率は非開示です。
生産・販売・在庫の関係
2026年3月期末の棚卸資産は2,317億18百万円で、 前期末の2,097億7百万円から220億11百万円増加しました(PDF 7ページ)。 IFRS財政状態計算書では、原材料、仕掛品、製品別の内訳は開示されていません。
営業キャッシュ・フローの説明では、棚卸資産の増加が185億円の資金減少要因でした。 旺盛な需要へ備える在庫は売上に必要ですが、 販売・回収前は現金が在庫へ振り替わるため営業CFを押し下げます。
受注高・受注残高がないため、 在庫がどの程度確定注文に対応するのか、 過剰か不足かをこの資料だけで判断することはできません。
営業キャッシュフローと投資
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,351億82百万円の収入、 投資活動によるキャッシュ・フローは345億52百万円の支出、 財務活動によるキャッシュ・フローは2,305億50百万円の支出でした。
| 項目 | 2026年3月期 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 営業活動によるCF | 3,351億82百万円の収入 | 税引前利益、税金、債権、在庫、債務等 |
| 投資活動によるCF | 345億52百万円の支出 | 有形固定資産取得等 |
| 財務活動によるCF | 2,305億50百万円の支出 | 自己株式取得、借入減少、配当等 |
| 期末現金同等物 | 3,399億66百万円 | 期末時点の現金及び現金同等物 |
営業CFから投資CF支出を単純に差し引くと3,006億30百万円です(編集部計算)。 これは会社公表のフリーキャッシュ・フローではありません。 営業債権増加1,059億円、在庫増加185億円が営業CFを押し下げました。
IFRS営業利益とセグメント利益
アドバンテストは、株式報酬費用調整前営業利益を事業別セグメントの評価に使用しています。 セグメント利益は、IFRS連結損益計算書の営業利益と同じではありません。
| 項目 | 2026年3月期 |
|---|---|
| テストシステム利益 | 5,187億60百万円 |
| サービス他利益 | 87億58百万円 |
| 全社・消去 | △239億48百万円 |
| 調整前営業利益 | 5,035億70百万円 |
| 株式報酬費用 | △44億50百万円 |
| IFRS営業利益 | 4,991億20百万円 |
全社調整は主に全社一般管理費と、 事業セグメントへ配分されない基礎研究活動の研究開発費です。 競合比較では、IFRS営業利益と他社独自の調整後利益を混同しないよう注意が必要です。
アドバンテストの強みと競争力をどう読むか
この資料から確認できる事業基盤は、 高性能SoC・DRAM・不揮発性メモリ向けの製品販売、 旺盛な需要へ対応する供給能力、 製品設置後のサービス・消耗品販売です。 装置とアフターサービスを組み合わせた収益構造を持ちます。
ただし、市場シェア、顧客評価、テスタ性能、 測定時間、価格、競合製品との差、顧客の切替コストは資料にありません。 高い利益率や売上成長だけから、長期的な競争優位を断定することはできません。
設置台数とサービスの関係
会社は製品設置台数の増加に伴いサポート・サービス売上が伸びたと説明しています。 これは装置販売が将来のサービス機会を増やす構造を示します。 ただし、設置台数とサービス売上比率は非開示です。
アドバンテストの弱み・リスク
テストシステム事業が売上の約90.3%を占めるため、 半導体設備投資や高性能半導体需要の変化が全社へ大きく影響します。 AI関連需要が強い一方、成熟半導体向け需要は軟調でした。
需要集中
テストシステムとAI関連高性能半導体への依存が高い構造です。
地域集中
アジア売上が約91.8%を占めます(編集部計算)。
設備投資変動
顧客の投資延期・縮小は装置販売へ影響します。
供給制約
部材不足やサプライチェーン問題で納入が制約され得ます。
運転資金
債権・在庫の増加は営業CFを押し下げます。
製品構成
高収益製品の販売比率低下は利益率へ影響し得ます。
2026年3月期の好調な利益率をそのまま将来へ延長することはできません。 会社予想は実績と区別し、記事の主題にはしていません。
アドバンテストの競合を比較するときの視点
決算短信には競合企業名と市場シェアがありません。 比較する際は、SoCテスタ、メモリテスタ、サービス・消耗品を分け、 同じ会計基準と期間にそろえる必要があります。
| 比較項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 半導体用途 | SoC、DRAM、不揮発性メモリ等で需要が異なるため |
| 装置・サービス構成 | 本体販売と継続収入の比率が異なるため |
| 売上総利益率 | 製品構成と原価を反映した採算を見るため |
| IFRS営業利益率 | 調整前の会計上の営業収益性を比較するため |
| 在庫・営業債権 | 成長に伴う運転資金負担を確認するため |
| 供給能力・設備投資 | 需要を売上へ転換する能力と資金負担を見るため |
アドバンテストの今後・将来性を見る重要指標
- テストシステム売上:AI・HPC・メモリ需要が装置販売へどう表れるか
- サービス他売上:設置台数増加が継続収入へつながっているか
- 高性能SoC向け需要:AI関連の複雑化と性能向上を確認する
- メモリ向け需要:DRAMと不揮発性メモリの方向を見る
- 製品構成:高収益製品比率に関する会社説明を確認する
- アジア売上:最大地域への集中度と変化を見る
- 棚卸資産:需要対応の在庫と資金負担を確認する
- 営業債権:売上増加後の回収状況を見る
- 有形固定資産:供給能力強化の規模を見る
- 営業キャッシュ・フロー:利益が現金へ変わっているかを見る
- 全社調整・株式報酬:セグメント利益とIFRS利益の差を確認する
- 一時損益:事業譲渡益や評価益を継続利益と区別する
初心者がアドバンテストの決算で見るべき5つの数字
決算資料を初めて読む場合は、すべての数字を追うより、 売上の成長、利益率、運転資金、設備投資、現金化の5点に分けると理解しやすくなります。
| 順番 | 見る数字 | 初心者向けの見方 |
|---|---|---|
| 1 | テストシステム売上 | AI・HPC・メモリ需要が実際の装置販売へつながったかを見る |
| 2 | 営業利益率 | 売上だけでなく、高収益製品の構成が利益へ反映されたかを見る |
| 3 | 棚卸資産・営業債権 | 成長のために在庫や回収前売上へ現金が固定されていないかを見る |
| 4 | 有形固定資産・設備取得支出 | 供給能力を増やす投資規模と資金負担を見る |
| 5 | 営業キャッシュ・フロー | 会計上の利益が現金として回収されているかを見る |
最初に覚えたい見方
売上と利益が伸びていても、在庫や営業債権が大きく増えると現金化に時間がかかります。 アドバンテストを見るときは、営業利益率と営業キャッシュ・フローを必ずセットで確認するのが基本です。
アドバンテストのビジネスモデルに関するよくある疑問
アドバンテストは何で稼いでいる会社ですか?
SoC半導体やメモリ半導体を試験するテストシステムの販売が収益の中心です。導入後のサポート・サービスやテスト用インタフェースボードなどの消耗品販売からも売上を得ています。
アドバンテストの主力事業は何ですか?
2026年3月期の主力はテストシステム事業です。外部顧客への売上高は1兆193億80百万円で、連結売上高の約90.3%を占めました。構成比は編集部計算です。
アドバンテストの強みは何ですか?
2026年3月期決算短信からは、高性能SoC・DRAM・不揮発性メモリ向け製品、需要に対応する供給能力、設置後のサービス・消耗品販売という事業基盤を確認できます。ただし、市場シェアや競合製品との性能差は同資料だけでは判断できません。
アドバンテストの弱みやリスクは何ですか?
テストシステム事業への売上集中、半導体設備投資の変動、アジア地域への売上集中、在庫・営業債権の増加による資金負担などが主な確認ポイントです。
アドバンテストの業績を見るときの重要指標は何ですか?
テストシステム売上、営業利益率、製品構成、棚卸資産、営業債権、営業キャッシュ・フロー、有形固定資産の増減を確認すると、成長性と資金負担を分けて把握しやすくなります。
アドバンテストの今後や将来性はどう見ればよいですか?
AI・HPC・高性能DRAM向け需要が装置販売へつながるか、供給能力を維持できるか、設置台数の増加がサービス・消耗品売上へ波及するかを継続して確認する必要があります。将来の業績を断定できる資料ではありません。
半導体テスタの需要は何によって変わりますか?
半導体の生産数量、複雑化、性能向上、顧客の設備投資によって変動します。SoC、DRAM、不揮発性メモリなど、半導体の種類によって需要の動きは異なります。
アドバンテストの売上は海外が中心ですか?
はい。会社公表の2026年3月期海外売上比率は97.8%です。地域別ではアジアの売上高が1兆358億50百万円で、連結売上高の約91.8%でした。構成比は編集部計算です。
アドバンテストの競合はどこですか?
今回使用した決算短信には競合企業名や市場シェアが記載されていません。競合比較を行う場合は、SoCテスタ、メモリテスタ、サービス・消耗品を分け、同じ期間と会計基準で比較する必要があります。
アドバンテストの配当はどう確認すればよいですか?
本記事はビジネスモデルと収益構造を中心に扱っており、配当額や配当方針の詳細は掲載していません。最新の配当予想、配当実績、株主還元方針は会社の決算短信やIR資料で確認してください。
アドバンテストの株価を見る際のポイントは何ですか?
株価だけでなく、AI・HPC向け需要、テストシステム売上、営業利益率、在庫と営業債権、営業キャッシュ・フローを確認することが重要です。本記事は特定の株式の売買を推奨するものではありません。
アドバンテストの営業利益率は何%ですか?
2026年3月期の営業利益率は44.2%です。売上総利益率は公表値を基に計算すると約64.3%でした。高収益製品の販売比率上昇が営業利益拡大へ寄与したと会社は説明しています。
アドバンテストはなぜ利益率が高いのですか?
2026年3月期は、AI・HPC・高性能DRAM向け需要、供給能力の強化、高収益製品の販売比率上昇が増収・増益へ寄与しました。ただし、製品別の価格・原価・利益率は非開示です。
アドバンテストの売上はどこから生まれますか?
半導体メーカーなどの顧客がテスタへ設備投資し、SoC・メモリテストシステムを納入することで売上が生まれます。納入後にはサポート・サービスや消耗品販売の機会も発生します。
AI需要はアドバンテストの売上に直結しますか?
直接ではありません。AI関連高性能半導体の需要が、半導体の生産・複雑化、顧客の設備投資、テスタの供給・納入を経て売上へつながります。設備投資の時期や供給能力によって影響は変わります。
アドバンテストの決算で初心者が最初に見る数字は何ですか?
テストシステム売上、営業利益率、棚卸資産、営業債権、有形固定資産、営業キャッシュ・フローを確認すると、成長性・利益率・資金負担を分けて理解しやすくなります。
まとめ
アドバンテストは、SoC・メモリ半導体向けテストシステムを収益の中心とし、 設置後のサポート・サービスと消耗品でも売上を得る企業です。 つまり「何で稼ぐ会社か」という問いへの答えは、半導体テスタの装置販売が中心です。 2026年3月期はテストシステム事業が連結売上高の約90.3%を占めました。
2026年3月期の営業利益率は44.2%、売上総利益率は約64.3%でした。 売上と利益は、半導体の生産数量、複雑化、性能向上、 顧客の設備投資、高収益製品の構成、供給能力によって変動します。 装置設置台数の増加は、サービスと消耗品の将来需要にもつながります。
海外売上比率は97.8%で、アジア売上が約91.8%を占めます。 成長時には在庫・営業債権が増え、現金回収まで時間差が生じます。 営業利益と営業キャッシュ・フローを分けて見ることが重要です。
一方、市場シェア、顧客名、機種別売上、受注残は非開示です。 高い利益率やAI関連需要の拡大だけから競争優位や将来性を断定せず、 開示された製品構成、地域、在庫、供給能力、現金の流れを継続して確認する必要があります。
参考資料・出典
この記事で確認した範囲
一次情報は、株式会社アドバンテストが2026年4月27日に公表した 「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」です。 対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日までです。 個別顧客名、市場シェア、テスタ機種別売上、受注高・受注残など、 同資料で確認できない情報は断定していません。
- 株式会社アドバンテスト「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」 (公表日:2026年4月27日、対象期間:2025年4月1日~2026年3月31日) アドバンテスト IRライブラリ
- 連結業績、財政状態、キャッシュ・フロー:PDF 1ページ
- 事業環境、テストシステム事業:PDF 4ページ
- サービス他、財政・CF概況:PDF 5ページ
- 棚卸資産、有形固定資産:PDF 7ページ
- IFRS連結損益計算書:PDF 8ページ
- 連結キャッシュ・フロー計算書:PDF 10ページ
- セグメント定義:PDF 11ページ
- セグメント売上・利益と調整:PDF 12ページ
- 地域別売上:PDF 13ページ
編集部計算
セグメント売上構成比、地域別売上構成比、 売上原価率、売上総利益率、販管費率、 営業CFから投資CF支出を差し引いた金額は編集部計算です。 百万円単位の公表値を基に計算し、表示上は丸めています。