結論:データセクションはAIインフラ事業で稼ぐ会社

データセクションは、GPUを使ったAI計算基盤をAIクラウドやAIデータセンターのサービスとして提供し、収益を得る会社です。2026年3月期はAIインフラ売上が304億77百万円となり、連結売上高336億5百万円の約90.7%を占めました。

確認項目要点
何で稼ぐ?GPU計算基盤、GPUaaS、AIデータセンター運営などのAIインフラ事業
主力事業AIインフラ売上304億77百万円、売上構成比約90.7%
利益構造売上原価ではサーバー使用料251億54百万円が最大の項目
業績2026年3月期は売上高336億5百万円、営業利益35億44百万円
強みを確認する視点GPU運用規模、TAIZA、クラスター運用、データセンター・電力確保
主なリスク顧客集中、稼働遅延、資金需要、技術更新、原価負担、海外案件
今後の注目点案件の実稼働、顧客分散、利益率、営業CF、資金調達

出典:データセクション株式会社「2026年3月期 決算短信」「2026年3月期 決算説明会資料」。構成比は公表値を基にした編集部計算です。

最初に確認した資料と記事で扱える情報

一次情報として、データセクション株式会社が2026年5月15日に公表した「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」と、2026年5月18日付「2026年3月期 決算説明会資料」を確認しました。 対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日までです。

資料から扱える情報は、AIインフラ、リテールマーケティング、データ分析ソリューションの売上、国内・海外事業、地域別売上、主要顧客、売上原価、設備・前払項目、キャッシュフロー、調整後EBITDA、翌期予想です。 GPU利用単価、稼働率、契約期間、個別案件別利益率、最終顧客名、電力単価などは資料には記載されていません。

データセクションは何の会社?初心者向けに一言で解説

データセクション株式会社は、GPUを使うAI計算基盤を確保し、AIクラウドやAIデータセンターのサービスとして顧客へ提供するAIインフラ事業を中心に収益を得る会社です。 これに加えて、企業のデータ活用支援、個別システム開発、マーケティング支援、南米を中心とするリテール分析事業などを展開しています。

主力事業

2026年3月期はAIインフラが売上の約90.7%を占めました。

提供価値

GPU計算能力、クラウドスタック、データセンター運用を組み合わせます。

原価の中心

売上原価ではサーバー使用料が251億54百万円でした。

資金面

先行投資を伴い、営業CFと投資CFは支出超過でした。

2026年3月期の連結売上高は336億5百万円、営業利益は35億44百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は28億1百万円でした。 前期は売上高29億42百万円、営業損失4億96百万円だったため、AIインフラサービスの開始によって事業規模と損益構造が大きく変わった年度です。

データセクションの事業内容|何を売っている会社なのか

資料で確認できる製品・サービスは、AIインフラ、データ分析ソリューション、リテールマーケティングの三つに整理できます。 国内事業にはAIインフラのほか、データサイエンス、システムインテグレーション、マーケティングソリューションが含まれます。

製品・サービス 資料に記載された内容
AIインフラ TAIZAの開発・提供、GPUサーバー供給、GPUaaS、AIデータセンター運営、AIデータセンター向け投資
データサイエンス データ利活用のコンサルティング、AI開発、IT教育など
システムインテグレーション AI・ビッグデータ技術を活用した個別ソリューション開発、決済サービスなど
マーケティングソリューション データを活用したマーケティング支援など
リテールマーケティング 店舗・消費者行動に関する分析やスマートリテール関連サービス
海外事業 南米を中心とするリテールマーケティング等

GPUの所有者、データセンターの運営主体、顧客への提供形態は案件によって異なる可能性があります。 今回の資料には、GPUaaSの時間単価、契約期間、最低利用量、TAIZAのライセンス料などの詳細は記載されていません。

データセクションのAIインフラはどこで使われる?

AIインフラは、生成AIモデルの学習や推論など、大量の計算能力を必要とする場面で使われます。 GPUサーバーを多数組み合わせたクラスターを構築し、クラウドサービスとして計算資源を提供することで、顧客は自社ですべての設備を準備せずにAI処理を行えます。

既存事業では、企業のデータドリブン経営、DX推進、需要予測、画像・テキスト・音声を使った個別システム、決済、店舗分析などに利用されます。 南米事業の具体的な導入企業名、店舗数、端末数、業種別売上は資料には記載されていません。

AIインフラの用途を読む際の注意

資料はAI計算需要の拡大を説明していますが、顧客が実際にどのAIモデルや業務へGPUを利用しているかは開示していません。用途を推測で補うことはできません。

データセクションの顧客は誰?主要顧客と顧客集中を解説

2026年3月期の主要顧客として、ナウナウジャパン株式会社が開示されています。同社向け売上高は304億77百万円で、AIインフラの製品・サービス別売上と同額でした。 決算短信では、ナウナウジャパンを通じて間接的に世界最大規模のクラウドサービスプロバイダーとの間で大口のAIデータセンターサービス利用契約を締結したと説明しています。

ただし、最終利用者の社名、ナウナウジャパンの役割、契約当事者間の請求構造、手数料、信用補完、支払条件は資料には記載されていません。 AIインフラ以外では、大手企業を中心とするデータ活用支援の顧客や、南米の小売事業者などが想定されますが、個別顧客名と売上額は開示されていません。

顧客集中を数値で確認する

ナウナウジャパン向け売上は連結売上高の約90.7%です。これは編集部計算であり、最終需要家への経済的依存度と完全に一致するとは限りません。

データセクションのビジネスモデル|調達から販売まで

AIインフラ事業は、データセンターサイトと電力の確保、GPUサーバーの調達、設置・接続、クラスタ構築、運用ソフトウェアの整備、サービス提供、料金回収という流れで理解できます。 GPUそのものを製造するのではなく、サーバー機器サプライヤーなどから調達し、計算基盤として利用可能な状態へ組み上げます。

flowchart LR A["データセンターサイト・電力確保"] --> B["GPUサーバー調達"] B --> C["搬入・設置・接続"] C --> D["GPUクラスター構築"] E["TAIZA・運用技術"] --> D D --> F["AI計算サービス提供"] F --> G["利用契約に基づく売上"] G --> H["代金回収"] H --> I["営業キャッシュフロー"]

2026年3月期にはNVIDIA B200を5,000個搭載するGPUサーバー625台、B300を10,000個搭載するサーバー1,250台の取得契約が説明されています。 ただし、納品・検収・稼働・売上認識の詳細な条件や、各機器の耐用年数は今回の資料には記載されていません。

データセクションは何で利益を出している?売上発生の流れ

AIインフラの売上は、GPU計算基盤が利用可能になり、契約に従ってサービスを提供することで発生します。 会社は2025年9月にサービス提供と売上計上を開始し、10月から単月で約45億円のAIインフラ売上を計上したと説明しています。

flowchart TD A["顧客のAI計算需要"] --> B["サービス利用契約"] C["利用可能なGPU数"] --> D["計算能力の提供"] E["稼働開始時期"] --> D B --> D D --> F["AIインフラ売上"] G["サーバー使用料"] --> H["売上原価"] F --> I["売上総利益"] H --> I I --> J["販管費を控除"] J --> K["営業利益"]

売上高を「GPU数×単価×稼働期間」と単純化して考えることはできますが、会社は料金単価や最低保証、稼働率、課金単位を開示していません。 したがって、開示されたGPU数だけから売上を独自に算定することはできません。

データセクションの主力事業と売上構成

2026年3月期の製品・サービス別売上高は、AIインフラ304億77百万円、リテールマーケティング19億18百万円、データ分析ソリューション12億9百万円でした。 AIインフラが連結売上高の大部分を占めます。

製品・サービス 2026年3月期売上高 構成比
AIインフラ 304億77百万円 約90.7%
リテールマーケティング 19億18百万円 約5.7%
データ分析ソリューション 12億9百万円 約3.6%
合計 336億5百万円 100.0%

出典:2026年3月期 決算短信の製品・サービス別情報。構成比は公表値を基にした編集部計算です。

構成比は千円単位の公表値から計算しています。製品・サービス別の営業利益は開示されていません。 AIインフラ売上が大きいことと、利益の約90%をAIインフラが生んだことは同義ではないため、売上構成と利益構成を混同しないことが重要です。

データセクションの海外売上・地域別売上構成

所在地別売上では、日本19億91百万円、アジア304億77百万円、南米9億82百万円、その他1億53百万円と開示されています。 AIインフラ関連の売上は決算説明資料では国内事業の収支として説明される一方、地域情報ではアジアに304億77百万円が計上されています。分類基準が異なる点に注意が必要です。

地域 2026年3月期売上高 構成比
日本 19億91百万円 約5.9%
アジア 304億77百万円 約90.7%
南米 9億82百万円 約2.9%
その他 1億53百万円 約0.5%
合計 336億5百万円 100.0%

出典:2026年3月期 決算短信の地域別情報。構成比は公表値を基にした編集部計算です。

地域別情報は顧客所在地など会計上の分類に基づく可能性があります。データセンターの物理的所在地、契約主体の所在地、サービス利用者の所在地を同じものとして扱うことはできません。

データセクションの収益構造|利益が生まれる仕組み

2026年3月期は売上高336億5百万円に対し、売上原価272億8百万円、売上総利益63億97百万円、販売費及び一般管理費28億52百万円、営業利益35億44百万円でした。 AIインフラサービスの売上が先行投資費用を上回り、前期の営業赤字から黒字へ転換しました。

項目 2026年3月期 売上高比
売上高 336億5百万円 100.0%
売上原価 272億8百万円 約81.0%
売上総利益 63億97百万円 約19.0%
販売費及び一般管理費 28億52百万円 約8.5%
営業利益 35億44百万円 約10.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 28億1百万円 約8.3%

出典:2026年3月期 決算短信の連結損益計算書。売上高比は公表値を基にした編集部計算です。

売上原価の主な内訳は、サーバー使用料251億54百万円、人件費10億19百万円、業務委託費5億24百万円、減価償却費4億29百万円です。 サーバー使用料だけで売上高の約74.9%を占めますが、契約上の算定方法は資料には記載されていません。

データセクションの業績を動かす要因|GPU数・単価・稼働時期

AIインフラの売上と利益を動かす要素は、利用可能なGPU数、稼働開始時期、サービス提供期間、顧客との契約単価、利用量、サーバー使用料などです。 会社は2026年5月18日時点で運用GPU数が20,000個以上に達したと説明しています。

GPU数量

提供できる計算能力の規模に関係します。

稼働時期

稼働が遅れると当年度の売上計上期間が短くなります。

契約単価

料金体系や単価は資料に記載されていません。

サーバー使用料

2026年3月期の売上原価で最大の項目です。

決算説明資料では、国内とオーストラリアの案件について資材・設備納入の遅れにより稼働開始予定時期が変わり、業績予想を修正したと説明しています。 需要が強くても設備が稼働しなければ売上計上が遅れるため、需要と供給能力を分けて確認する必要があります。

データセクションの利益率は高い?原価と費用構造を解説

資料は費用を固定費と変動費に分けていません。サーバー使用料は提供規模や契約条件に連動する可能性がありますが、完全な変動費と断定できません。 人件費、業務委託費、データセンター関連費用、減価償却費、無形固定資産償却費なども利益率に影響します。

販管費の主な内訳は、人件費9億14百万円、業務委託費7億65百万円、支払報酬料2億89百万円、租税公課1億78百万円、のれん・顧客関連資産償却費1億20百万円です。 GPUが何%稼働すると損益分岐点を超えるか、1GPU当たりの限界利益はいくらかは資料には記載されていません。

利益率の単純な横展開はできない

2026年3月期はサービス開始時期や案件構成の影響を受けています。将来の案件で同じ売上総利益率や営業利益率になるとは資料から断定できません。

データセクションの設備投資|GPU・データセンター投資を解説

AIインフラは、GPUサーバー、ネットワーク、データセンター設備、電力確保などに多額の資金を必要とする事業です。 2026年3月期末の有形固定資産は50億10百万円で、前期末の4億6百万円から増加しました。建設仮勘定は44億97百万円です。

資産項目 2026年3月期末 2025年3月期末
有形固定資産 50億10百万円 4億6百万円
建設仮勘定 44億97百万円 記載なし
無形固定資産 28億62百万円 26億25百万円
長期前払費用 19億74百万円 32百万円
差入保証金 32億12百万円 32百万円
固定資産合計 133億33百万円 32億2百万円

出典:2026年3月期 決算短信の連結貸借対照表。

設備取得による現金支出と、損益上の減価償却費は同じ年度に全額対応するものではありません。 取得した設備は資産として計上され、利用期間に応じて減価償却費として費用化されます。

flowchart LR A["資金調達"] --> B["GPU・設備取得"] B --> C["建設仮勘定・固定資産"] C --> D["データセンター稼働"] D --> E["サービス売上"] C --> F["減価償却費"] F --> G["各年度の利益へ反映"] B --> H["投資キャッシュフロー支出"]

データセクションの在庫・受注・生産の関係

2026年3月期末の棚卸資産には、商品18億94百万円、仕掛品34百万円、貯蔵品20百万円が計上されています。 ただし、GPUサーバー、部品、既存事業の商品などの内訳は資料には記載されていません。

棚卸資産項目 2026年3月期末 2025年3月期末
商品 18億94百万円 51百万円
仕掛品 34百万円 記載なし
貯蔵品 20百万円 0百万円

決算説明資料では、プロジェクトAとBを受注済み、プロジェクトC以降を見込案件として説明しています。 しかし、財務諸表上の受注高・受注残高の総額、契約取消条件、前受金、稼働保証などは開示されていません。見込案件を確定受注と扱わないことが重要です。

データセクションのキャッシュフロー|黒字でも現金が減る理由

2026年3月期は営業活動によるキャッシュ・フローが49億13百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが83億2百万円の支出でした。 一方、財務活動によるキャッシュ・フローは131億17百万円の収入で、主に新株予約権の行使による株式発行収入131億47百万円が資金源となりました。

キャッシュフロー項目 2026年3月期 2025年3月期
営業活動によるCF 49億13百万円の支出 83百万円の支出
投資活動によるCF 83億2百万円の支出 11億92百万円の支出
財務活動によるCF 131億17百万円の収入 1億63百万円の収入
期末現金同等物 3億96百万円 5億5百万円

出典:2026年3月期 決算短信の連結キャッシュ・フロー計算書。

営業利益が黒字でも営業CFは赤字でした。損益に計上されない前払い、保証金、設備投資などに現金が使われるためです。 営業CFと投資CFの合計は132億15百万円の支出であり、事業拡大に必要な資金を主に財務CFで補った形です。

flowchart TD A["営業利益35億44百万円"] --> B["運転資金・前払い等を調整"] B --> C["営業CF 49億13百万円支出"] D["設備・保証金等への投資"] --> E["投資CF 83億2百万円支出"] F["新株予約権行使等"] --> G["財務CF 131億17百万円収入"] G --> C G --> E C --> H["期末現金3億96百万円"] E --> H

データセクションのIR初心者向け|営業利益と調整後EBITDAの違い

データセクションは日本基準の営業利益と、会社独自の調整後EBITDAを開示しています。 調整後EBITDAは、営業利益に減価償却費、無形固定資産償却費、株式報酬費用、M&A関連費用を加えた指標です。

指標・調整項目 2026年3月期 説明
営業利益 35億44百万円 日本基準の損益計算書に記載される利益
減価償却費 4億51百万円 有形固定資産等の費用化
無形固定資産償却費 1億20百万円 ソフトウェア・顧客関連資産等の償却
株式報酬費用 88百万円 株式報酬に関する費用
M&A関連費用 0百万円 当年度の調整額
調整後EBITDA 42億5百万円 会社独自の調整後指標

出典:2026年3月期 決算説明会資料。調整後EBITDAは会社独自の指標です。

調整後EBITDAは現金残高の増減を示すキャッシュ・フローではありません。実際の営業CFは49億13百万円の支出でした。 「CF創出力」という会社の説明と、財務諸表上のキャッシュ・フローを区別して確認する必要があります。

データセクションのIRを初心者向けに読む3つのポイント

IR初心者は、専門用語をすべて覚えるよりも、売上・利益・現金の三つを分けて確認すると理解しやすくなります。

売上高商品やサービスを提供して得た収入の規模です。データセクションではAIインフラ売上の比重が大きくなっています。
営業利益本業の売上から売上原価と販管費を差し引いた利益です。2026年3月期は35億44百万円でした。
営業キャッシュフロー本業を通じて実際の現金がどれだけ増減したかを示します。会計上の利益と一致するとは限りません。
調整後EBITDA営業利益に償却費などを足し戻した会社独自の指標です。現金残高の増減そのものではありません。

初心者が最も注意したい点

「売上が増えた」「営業利益が黒字になった」だけで判断せず、営業キャッシュフロー、設備投資、前払項目、資金調達も一緒に確認します。成長のための先行投資なのか、継続的に外部資金が必要な構造なのかを見分けるためです。

データセクションの強みと競争力をどう確認するか

一次資料から確認できる事業基盤は、GPU調達に向けたサーバー機器サプライヤーとの連携、AIクラウドスタックTAIZA、GPUクラスター運用、データセンターサイト・電力の確保、グローバルな案件パイプラインです。 2026年5月18日時点で20,000個以上のGPU運用を達成したと会社は説明しています。

ただし、GPU数が多いだけで競争優位は証明できません。実際の稼働率、障害率、電力効率、顧客継続率、契約単価、クラウドサービスの性能比較、TAIZAの採用数などは資料に記載されていません。 競争力を判断するには、将来の開示で稼働実績と収益性を継続確認する必要があります。

確認できることと断定できないこと

大型GPU調達契約、案件計画、売上実績は確認できます。一方、「最新GPUを安定確保できる」「世界最高水準である」といった会社の戦略評価が、競合より優れていることを客観的に証明する比較データは資料にありません。

編集部独自分析|データセクションの収益構造をどう読むか

売上の大幅増加と利益率を分けて考える

2026年3月期の売上高は336億5百万円、売上総利益は63億97百万円、営業利益は35億44百万円でした。売上総利益率は約19.0%、営業利益率は約10.5%です。ただし、サービス開始時期や案件構成の影響を受けるため、この利益率が将来も続くとは限りません。

売上高 → 売上原価を控除 → 売上総利益 → 販管費を控除 → 営業利益

最大の確認点は売上規模より顧客集中

AIインフラ売上304億77百万円と主要顧客向け売上304億77百万円が同額であり、連結売上高の約90.7%を占めます。最終利用者との契約構造は開示されていないため、経済的な依存関係を断定することはできませんが、契約更新や支払条件の変化が業績へ与える影響は継続確認が必要です。

利益成長と資金需要を同時に見る

営業利益が黒字である一方、営業活動によるキャッシュフローは49億13百万円の支出、投資活動によるキャッシュフローは83億2百万円の支出でした。設備、前払い、保証金などへの支出が先行するため、売上と利益の成長だけでなく、資金調達後の現金残高と希薄化も重要な確認項目です。

今後の成長を確認する順番

  1. 案件が予定どおり稼働したか
  2. 稼働が売上へ計上されたか
  3. 売上総利益率と営業利益率が維持・改善したか
  4. 営業キャッシュフローが改善したか
  5. 顧客集中と外部資金依存が低下したか

この順番で見ると、「案件発表」だけでなく、実際の収益化と現金化まで追いやすくなります。

データセクションの収益構造が抱えるリスク・弱み

収益構造上の主な確認点は、特定顧客への売上集中、GPU・サーバーの調達、データセンター稼働時期、電力確保、設備投資資金、為替、金利、技術陳腐化です。 2026年3月期はAIインフラと主要顧客の売上が連結売上の約90.7%を占めました。

顧客集中

主要顧客向け売上が連結売上の大部分を占めます。

稼働遅延

設備納入の遅れは売上計上時期を後ろ倒しにします。

資金需要

営業・投資CFの支出を外部調達で補う局面があります。

技術更新

新GPUの登場により既存設備の経済性が変わる可能性があります。

原価負担

サーバー使用料が売上原価の大部分を占めます。

海外案件

為替、法規制、建設、電力、契約履行などの影響を受けます。

2027年3月期の予想は前期から大幅な成長を見込みますが、複数案件の段階的稼働を前提としています。 予想値は契約や工事の進捗によって変動する可能性があり、確定した将来売上として扱うことはできません。

データセクションの競合比較|何を比べればよい?

資料には競合企業名や市場シェアの比較表はありません。比較する場合は、GPU保有数だけでなく、会計上の資産保有形態、売上認識、顧客集中、稼働率、原価構造、資金調達をそろえて見る必要があります。

比較項目 確認する意味
GPU・サーバー規模 提供可能な計算能力の量を見る
稼働GPU数と稼働率 調達した設備が実際に売上へつながっているかを見る
売上総利益率 サービス単価とサーバー使用料等の関係を見る
顧客集中度 一社の契約変更が業績へ与える影響を確認する
営業CF 会計利益が現金収入へ変わっているかを見る
設備投資・前払項目 成長のために先行する現金支出を見る
調整後EBITDA定義 会社ごとに異なる調整項目をそろえる

自社保有設備とリース・使用契約では、貸借対照表や減価償却費の表れ方が異なる場合があります。 また、調整後EBITDAの定義も会社ごとに異なるため、数値だけを直接比較しないことが重要です。

データセクションの将来性|今後のIRで見るべき重要指標

データセクションの今後を確認するときは、売上・営業利益だけでなく、案件の稼働、顧客構成、設備、原価、現金をつなげて見ます。

  • AIインフラ売上:主力事業のサービス提供規模を確認する
  • 主要顧客売上比率:顧客集中が低下・上昇しているかを見る
  • 稼働GPU数:調達計画ではなく実際に運用中の数量を確認する
  • 案件の稼働開始時期:売上計上期間に直結する進捗を見る
  • 売上総利益率:サーバー使用料など原価との関係を確認する
  • 営業利益と調整後EBITDA:調整項目の増減を確認する
  • 営業キャッシュフロー:利益が現金へ変わっているかを見る
  • 投資キャッシュフロー:設備・保証金など先行支出を確認する
  • 現金及び現金同等物:事業拡大を支える手元流動性を見る
  • 株式発行・借入:外部資金調達と希薄化・金利負担を見る
  • 建設仮勘定:未稼働設備が稼働資産へ振り替わるかを見る
  • 既存事業売上:AIインフラ以外の事業規模も確認する

データセクションの決算・IRをわかりやすく解説するFAQ

データセクションは何で稼いでいる会社ですか?

データセクションは、AIクラウドスタック「TAIZA」の開発・提供、GPUサーバーの供給、GPU as a Service、AIデータセンター運営などのAIインフラ事業を中心に、データサイエンス、システムインテグレーション、マーケティングソリューション、海外のリテールマーケティングなどで売上を得ています。

2026年3月期の主力事業は何ですか?

製品・サービス別売上ではAIインフラが304億77百万円で、連結売上高336億5百万円の約90.7%を占めました。構成比は公表値を基にした編集部計算です。

AIインフラ事業では何を提供していますか?

決算短信では、AIクラウドスタック「TAIZA」、GPUサーバー供給、GPUaaS、AIデータセンター運営、AIデータセンター向け投資を展開すると説明されています。個別契約の料金体系は資料には記載されていません。

売上の顧客集中はありますか?

2026年3月期はナウナウジャパン株式会社向け売上高が304億77百万円で、AIインフラ売上と同額でした。最終利用者との契約関係や手数料条件の詳細は資料には記載されていません。

調整後EBITDAと営業利益は同じですか?

同じではありません。調整後EBITDAは営業利益に減価償却費、無形固定資産償却費、株式報酬費用、M&A関連費用を加えた会社独自の指標です。2026年3月期は営業利益35億44百万円、調整後EBITDA42億5百万円でした。

利益が出ているのに営業キャッシュフローが赤字なのはなぜですか?

2026年3月期の営業キャッシュフローは49億13百万円の支出でした。前渡金や長期前払費用など運転資金・前払い項目への資金支出が影響しています。詳細はキャッシュ・フロー計算書を確認する必要があります。

2027年3月期の会社予想はどのような内容ですか?

会社は売上高1,621億93百万円、営業利益248億15百万円、調整後EBITDA581億91百万円を予想しています。国内、オーストラリア、タイのデータセンター案件などを前提にしていますが、将来予想であり達成を保証するものではありません。

データセクションの強みは何ですか?

一次資料からは、GPU調達に向けたサーバー機器サプライヤーとの連携、AIクラウドスタック「TAIZA」、GPUクラスター運用、データセンターサイト・電力の確保、国内外の案件計画が事業基盤として確認できます。ただし、稼働率や顧客継続率などは開示されておらず、競合優位を断定するには追加確認が必要です。

データセクションの主なリスクは何ですか?

主な確認点は、特定顧客への売上集中、GPU・サーバーの調達、設備の稼働遅延、電力確保、設備投資資金、為替、金利、技術陳腐化です。2026年3月期は主要顧客向け売上が連結売上高の約90.7%を占めました。

データセクションの株価を見るときは何を確認すべきですか?

株価そのものだけでなく、AIインフラ売上、主要顧客売上比率、稼働GPU数、案件の稼働開始時期、売上総利益率、営業キャッシュフロー、現金残高、株式発行や借入による資金調達を継続して確認することが重要です。

データセクションの売上構成はどうなっていますか?

2026年3月期の製品・サービス別売上は、AIインフラ304億77百万円、リテールマーケティング19億18百万円、データ分析ソリューション12億9百万円です。AIインフラの構成比は約90.7%です。

データセクションの営業利益率は何%ですか?

2026年3月期の営業利益は35億44百万円、売上高は336億5百万円で、営業利益率は約10.5%です。公表値を基にした編集部計算であり、将来も同じ水準が続くとは限りません。

データセクションは設備投資が多い会社ですか?

AIインフラ事業ではGPUサーバー、データセンター、電力、ネットワークなどへの資金が必要です。2026年3月期末の有形固定資産は50億10百万円、建設仮勘定は44億97百万円でした。

データセクションの在庫は何ですか?

2026年3月期末には商品18億94百万円、仕掛品34百万円、貯蔵品20百万円が計上されています。ただし、GPUサーバーや既存事業の商品などの具体的な内訳は資料に記載されていません。

データセクションの決算で初心者が最初に見る数字は何ですか?

AIインフラ売上、主要顧客売上比率、売上総利益率、営業利益、営業キャッシュフロー、現金残高、設備投資、株式発行や借入を順番に確認すると、成長と資金負担をつなげて理解できます。

まとめ|データセクションは何で稼ぐ会社か

データセクションは、AIクラウドスタックTAIZA、GPUサーバー、GPUaaS、AIデータセンター運営などを組み合わせたAIインフラ事業を主力としています。 2026年3月期はAIインフラ売上304億77百万円が連結売上高の約90.7%を占め、売上高336億5百万円、営業利益35億44百万円となりました。

利益構造では、サーバー使用料251億54百万円が売上原価の中心です。売上の規模だけでなく、GPUの稼働開始、契約単価、提供期間、サーバー使用料、減価償却費が収益性を左右します。 一方、料金体系やGPU稼働率は資料に記載されていません。

資金面では、営業CF49億13百万円の支出、投資CF83億2百万円の支出に対し、財務CF131億17百万円の収入でした。 黒字化していても設備・前払い・保証金などに現金を使うため、営業利益とキャッシュフローを分けて確認する必要があります。

さらに、2026年3月期は主要顧客向け売上が連結売上の大部分を占めました。今後は、案件の計画だけでなく、実際の稼働、顧客分散、営業CF、資金調達、既存事業の推移を継続的に確認することが重要です。

関連ページ

企業IR解説一覧では、企業ごとの「何で稼ぐ」「ビジネスモデル」「売上構成」「収益構造」を初心者向けに解説しています。

参考資料

  • データセクション株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月15日公表)
  • データセクション株式会社「2026年3月期 決算説明会資料」(2026年5月18日公表)
  • データセクション株式会社 公式IR情報
  • 連結業績、財政状態、キャッシュ・フロー:決算短信1ページ
  • 事業内容、売上原価・販管費:決算短信2~3ページ
  • 貸借対照表:決算短信7~8ページ
  • 損益計算書:決算短信9ページ
  • キャッシュ・フロー計算書:決算短信13ページ
  • セグメント・製品サービス・地域・主要顧客:決算短信14~17ページ
  • AIインフラ戦略、業績予想、案件計画:決算説明会資料

編集部計算

製品・サービス別売上構成比、地域別売上構成比、売上原価率、売上総利益率、販管費率、純利益率、主要顧客売上比率、サーバー使用料の売上高比、営業CFと投資CFの合計などは、公表値を基にした編集部計算です。表示上は小数点以下を丸めています。