最初に確認した資料と記事で扱える情報
一次情報は、株式会社オープンハウスグループが公表した「2026年9月期 第3四半期決算短信」です。数値の中心となる対象期間は2025年10月1日~2026年6月30日です。PDFに記載された連結経営成績、事業・セグメント別情報、貸借対照表、キャッシュ・フローまたはその注記を基にしています。
本記事は決算速報ではありません。数値は企業の稼ぎ方を理解するための実績例として使い、タイトルやH1では年度依存を避けています。また、資料にない顧客企業名、市場シェア、将来予測などを推測で補っていません。
オープンハウスグループは何で稼ぐ会社なのか
オープンハウスグループは、都市部の戸建住宅を最大の収益源としつつ、マンション、収益不動産、米国不動産、プレサンスのマンション販売まで複数の不動産事業を展開しています。
主力事業を最初に見る
参照資料の事業別数値から、オープンハウスグループの売上・利益の中心を確認します。
売上と利益を分ける
売上規模が大きくても利益率が低い事業があり、逆に売上が小さくても高い利益を生む事業があります。
貸借対照表も事業説明
在庫、固定資産、契約負債、借入金などは、その会社が稼ぐために資金をどこへ置いているかを示します。
資料にないことは断定しない
市場シェア、顧客別売上、商品別利益、将来成長率は資料で確認できない限り推測しません。
IR独自分析|「この会社は結局何で稼ぐ?」への答え方
まず事業別の売上と利益を並べ、次にその利益を生む資産・契約・在庫・設備を見るのが基本です。単一の売上高だけで企業の稼ぐ力を説明しないことを重視しています。
オープンハウスグループは何を売っている会社なのか
不動産・住宅を中心に、資料内で確認できる製品・サービス・事業から売上を得ています。具体的な内訳は下のセグメント表と各事業解説で確認します。
企業名だけでは事業実態が分かりにくい場合でも、決算短信のセグメント名、売上認識、資産項目を組み合わせると「何を売っているか」が見えてきます。
誰がお金を払うのか|顧客・市場の見方
顧客は住宅購入者だけではない
戸建・マンションの購入者に加え、資料では収益不動産の顧客として事業法人・富裕層、米国不動産では国内富裕層が明記されています。用途と買い手の異なる物件を複数持つことで、売上経路が分かれています。
「顧客」は企業名が開示されるとは限りません。その場合は、IRが示す顧客属性、販売地域、利用用途の範囲にとどめます。顧客集中度や大口顧客依存を判断できない場合、無理に断定しないことが重要です。
ビジネスモデル|売上が生まれるまでの流れ
仕入れ・開発 → 契約 → 引渡し → 売上
不動産販売では土地や物件を先に取得・開発し、販売契約を経て引渡し時に売上へつながります。したがって販売用不動産と借入金は、単なる財務項目ではなく事業運営そのものを表します。
上図は企業理解のために簡略化したものです。実際の会計項目・売上認識は各社で異なるため、以下ではPDFの具体的な記述へ戻って確認します。
事業別の売上・利益構造
| 事業・区分 | 参照期間の売上・収益 | 利益 | IRから確認できる特徴 |
|---|---|---|---|
| 戸建関連 | 5,630億円 | 618億円 | 都市部の戸建住宅。販売契約は好調と説明。 |
| マンション | 424億円 | 76億円 | 引渡しが第4四半期に集中する傾向。 |
| 収益不動産 | 1,541億円 | 164億円 | 事業法人・富裕層向けの賃貸マンション、オフィスビル等。 |
| その他 | 1,139億円 | 134億円 | 国内富裕層向け米国不動産など。 |
| プレサンス | 1,500億円 | 208億円 | 近畿圏、東海・中京圏の投資用・ファミリーマンション。 |
※表示は読みやすさのため億円・億米ドル等へ換算して丸めた箇所があります。元資料の百万円・千米ドル等の公表値を優先してください。
この表は「どの事業が大きいか」を一目で把握するためのものです。次の各節では、単純な規模だけでなく、なぜその利益が生まれたのか、どんな資産や契約が必要なのかを掘り下げます。
戸建関連事業|売上の中心は都市部の戸建住宅
戸建関連事業の売上高は5,630億6百万円、営業利益は618億40百万円でした。会社は、展開する都市部で戸建住宅への高い需要が続き、今後の引渡しにつながる販売契約も好調と説明しています。
土地・物件の確保から住宅の商品化、契約、引渡しまでが一連の資金循環です。契約が成立しても引渡し前なら売上計上のタイミングはずれるため、契約状況と売上を分けて見る必要があります。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
マンション事業|契約と引渡しのタイミングを分けて見る
売上高は424億15百万円、営業利益は75億66百万円でした。資料では物件引渡しが第4四半期に集中するため、第3四半期までに引渡しを迎えた物件は多くない一方、販売契約は順調と説明しています。
不動産販売では四半期の売上高が小さくても、契約残が積み上がっていることがあります。短期の売上だけで需要を判断しないことが重要です。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
収益不動産事業|事業法人・富裕層が買い手
売上高は1,540億57百万円、営業利益は163億70百万円でした。会社は顧客として事業法人・富裕層を挙げ、賃貸マンションやオフィスビルへの投資需要を説明しています。
自ら住む住宅を販売する戸建とは異なり、賃料収入を目的とする投資家・法人へ物件を販売する経路です。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
米国不動産|国内富裕層の資産分散需要
「その他」は売上高1,138億62百万円、営業利益133億80百万円でした。資料では国内富裕層の資産分散を目的とする米国不動産需要が高いと説明しています。
地域別・物件別の売上や採算は資料では開示されていないため、米国不動産の市場シェアや地域別優位性は断定できません。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
プレサンス|投資用・ファミリーマンション
売上高は1,500億47百万円、営業利益207億59百万円でした。主要販売エリアは近畿圏、東海・中京圏で、投資用・ファミリーマンションの販売に注力しています。
都市部戸建とは商品・地域が異なるマンション事業を持つことで、グループの収益源が分散しています。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
販売用不動産・仕掛販売用不動産|在庫は事業そのもの
参照期末では現金及び預金が554億92百万円減少する一方、販売用不動産と仕掛販売用不動産が合わせて1,379億70百万円増加しました。
不動産会社の在庫は将来販売する商品です。在庫増は将来販売の準備である一方、販売が遅れれば資金が長く固定されるため、売上・契約・借入金とセットで見ます。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
借入金|不動産在庫を支える資金調達
負債合計は9,413億57百万円で、前年度末から681億89百万円増加しました。短期借入金と長期借入金は合計828億67百万円増えています。
物件取得・開発で先に資金が必要になるため、借入金の増減は在庫積み上がりと合わせて確認すべき指標です。
IR独自分析|ここで数字をどう読むか
金額の大小だけではなく、前年同期との差、会社が説明した増減要因、売上計上の時期、資産の増減をつなげて読むと、事業の実態に近づきます。一時的な要因が含まれる場合は恒常的な収益力と分けて考えます。
売上高と利益はなぜ同じ動きをしないのか
企業IRで最も誤解しやすいのが「売上が増えれば利益も同じ割合で増える」という見方です。原価率、販管費、製品・案件構成、持分法損益、為替、資産売却などによって、売上と利益は異なる動きをします。
そのため、この記事では売上高だけで「主力」や「強い事業」を決めず、事業別利益と会社の増減説明を併記しています。特に利益の定義が営業利益以外の「事業利益」などで示される企業は、その定義を確認する必要があります。
利益率をどう読むか|高い理由を決算短信から分解
| 事業 | 売上・収益 | 利益 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 戸建関連 | 5,630億円 | 618億円 | 定義・一時要因を確認 |
| マンション | 424億円 | 76億円 | 定義・一時要因を確認 |
| 収益不動産 | 1,541億円 | 164億円 | 定義・一時要因を確認 |
| その他 | 1,139億円 | 134億円 | 定義・一時要因を確認 |
| プレサンス | 1,500億円 | 208億円 | 定義・一時要因を確認 |
単純計算の利益率は便利ですが、同じ指標でない利益を比較すると誤解します。営業利益、事業利益、セグメント利益、持分法利益などの定義をそろえて見る必要があります。
また、高利益率だから競争優位があると即断することも避けます。資料に競争力の根拠が明記されている場合のみ、その範囲で説明します。
資産・負債から収益構造を読む
損益計算書は一定期間の成果、貸借対照表はその成果を生むために企業がどこへ資金を置いているかを示します。企業によって重要項目は、在庫、不動産、設備、契約資産、ソフトウェア、持分法投資など大きく異なります。
負債側では借入金・社債・契約負債・営業債務などを見ます。売上を増やすために先に資金を必要とするビジネスほど、資金調達と運転資金の動きが重要になります。
初心者向け|なぜ資産を見るのか
同じ100億円の利益でも、少ない資産で生む会社と、巨大な設備・在庫を必要とする会社ではビジネスの性質が違います。利益だけでなく「何を持たないと稼げないか」を見ると理解が深まります。
オープンハウスグループの強みをIRからどう確認するか
複数の収益経路
オープンハウスグループは参照資料で複数の事業・収益項目が確認でき、単一の数字だけでは説明できません。
会社固有の重要指標
セグメント売上・利益、在庫、受注残、契約負債など、会社ごとに見るべき指標が明確です。
開示から事業構造を追える
損益と貸借対照表の項目を結びつけることで、何に資金を使い、どう利益化しているかを追えます。
ここでいう「強み」は市場シェアや競合優位を勝手に推測したものではありません。参照資料で確認できる事業構成、利益源、資産基盤、会社が明示した増益要因を指しています。
オープンハウスグループの業績を動かすリスク・変動要因
以下は参照資料の事業説明・財務項目から確認できる、業績を動かしやすい要因です。株価の上下を予測するものではありません。
- 契約から引渡しまでの時期差
- 販売用不動産・仕掛販売用不動産の増減
- 借入金増加と資金調達負担
- 都市部戸建や富裕層向け不動産の需要変化
- マンションの引渡し集中による四半期変動
重要なのは、リスクが存在すること自体よりも、そのリスクがどの財務項目へ表れるかです。価格なら売上単価、在庫なら棚卸資産、投資負担なら固定資産・CF、案件遅延なら受注残・契約資産などに現れます。
今後のIRで確認したい重要指標
| 確認項目 | なぜ重要か |
|---|---|
| 戸建の販売契約 | 将来の引渡し候補を確認。 |
| 販売用・仕掛販売用不動産 | 物件仕入れと販売の循環を見る。 |
| 借入金 | 在庫増加をどの程度借入で支えるか。 |
| 事業別営業利益率 | 戸建・収益不動産・プレサンスの採算差。 |
| マンション引渡し | 四半期の季節性を誤読しないため。 |
ここで挙げる指標は「毎年この記事を書き換えるため」の項目ではなく、この会社のビジネスモデルを理解するうえで普遍的に見る価値が高い項目です。
オープンハウスグループについてよくある疑問
Q. オープンハウスグループは何で稼いでいますか?
A. 参照IRでは戸建関連事業の売上高が最大で、マンション、収益不動産、米国不動産、プレサンスも利益を生んでいます。
Q. 顧客は誰ですか?
A. 収益不動産では事業法人・富裕層、米国不動産では国内富裕層が資料に明記されています。
Q. 在庫が多いのは危険ですか?
A. 販売用不動産は販売する商品でもあるため、単純に多いだけで危険とはいえません。売上・契約・借入金と合わせて見ます。
まとめ|この会社は結局、何で稼いでいるのか
オープンハウスグループは、都市部の戸建住宅を最大の収益源としつつ、マンション、収益不動産、米国不動産、プレサンスのマンション販売まで複数の不動産事業を展開しています。
企業を見る順番は、①何を売るか、②誰が払うか、③どの事業が売上を作るか、④どこで利益が残るか、⑤そのためにどんな資産・在庫・投資が必要か、⑥利益が現金へ変わっているか、の順にすると整理しやすくなります。
本文の数値は「2026年9月期 第3四半期決算短信」の参照時点の実績例であり、現在の数値であると誤認させる目的ではありません。オープンハウスグループという企業の収益構造を理解するための証拠として使用しています。
参考資料
- 株式会社オープンハウスグループ「2026年9月期 第3四半期決算短信」
- 対象期間:2025年10月1日~2026年6月30日
- 確認対象:連結経営成績、事業説明、セグメント情報、貸借対照表、キャッシュ・フローまたは関連注記