この記事で使用した資料と読み取れる範囲

一次情報は、東京エレクトロン株式会社が2026年4月30日に公表した 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」です。対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日までです。 PDF全14ページをテキスト抽出し、損益、貸借対照表、キャッシュ・フローの主要ページを画像でも確認しました。

同資料では、グループを「半導体製造装置」の単一セグメントとして開示しています。 ただし、装置カテゴリ別の売上高、個別顧客名、国・地域別売上高、受注高、受注残高、市場シェアは記載されていません。 したがって、それらは推測せず、「資料からは判断できない」と明記します。

東京エレクトロンを一言で説明すると

東京エレクトロンは、半導体製造装置を販売して収益を得るBtoBの装置メーカーです。 2026年3月期決算短信では、グループ全体を「半導体製造装置」の単一セグメントとして扱っています。 一般消費者が店頭で購入する完成品ではなく、半導体を生産するための設備を企業向けに供給する事業だと捉えると、 収益構造の入口が分かりやすくなります。

販売するもの

決算短信で確認できる事業区分は半導体製造装置です。

顧客の性格

半導体製造装置への設備投資を行う企業が顧客になります。

売上の特徴

2026年3月期の連結売上高の約90.2%が海外売上です(編集部計算)。

費用の特徴

売上原価に加え、研究開発費や設備・無形資産への投資が重要です。

2026年3月期の連結売上高は2兆4,435億33百万円、営業利益は6,249億36百万円でした。 ただし、この記事では年度業績そのものを評価するのではなく、装置販売、研究開発、在庫、投資、 キャッシュ回収という構造を理解するための具体例として使います。 出典は決算短信PDF 1ページです。

何を売っている会社なのか

資料から確実に確認できる販売対象は「半導体製造装置」です。 会社は、半導体製造装置市場について、生成AI用途の半導体向け設備投資が顕著に伸長したと説明しています。 また、2027年3月期以降も市場の成長が見込まれるとの会社見通しを示しています。 この将来記述は会社発表であり、実績ではありません(決算短信PDF 4~5ページ)。

一方、この決算短信は装置の具体的なカテゴリ名や、それぞれの機能、用途別売上高を開示していません。 したがって、本資料だけを根拠に特定の装置を主力製品と断定したり、 装置別の売上構成や利益率を示したりすることはできません。 「半導体製造装置という単一事業の会社」という粒度が、今回の一次資料から確認できる範囲です。

分かることと分からないこと

分かることは、半導体製造装置事業が連結売上の基盤であり、研究開発と有形・無形資産への支出を伴うことです。 分からないことは、装置別売上、顧客別売上、案件単価、保守・サービス売上の内訳です。 記事では、この境界を越えて情報を補完しません。

製品はどこで使われるのか

半導体製造装置は、顧客が半導体を製造するための設備として使われます。 決算短信は、データセンター向けAIサーバーの需要拡大を背景に、 生成AI用途の半導体向け設備投資が伸長したと説明しています(PDF 4ページ)。 つまり東京エレクトロンの売上は、最終消費者がAIサービスを購入した時点で直接発生するのではなく、 その需要を見込んだ半導体関連企業が生産設備へ投資するときに生まれる構造です。

ここで重要なのは、最終市場の需要と装置需要の間に「顧客の設備投資判断」が入ることです。 半導体需要が増えていても、顧客が既存設備で対応する場合や投資時期を調整する場合、 装置メーカーの売上へ同じタイミング、同じ割合で反映されるとは限りません。 反対に、生産能力の増強や技術更新が集中すれば、装置需要が大きく動く可能性があります。

誰が顧客なのか

資料から確認できる顧客像は、半導体製造装置への設備投資を行う企業です。 会社は、半導体メーカー各社の投資動向が装置市場へ大きく影響すると説明しています(PDF 5ページ)。 そのため、顧客企業の投資計画、投資時期、技術世代の移行が、東京エレクトロンの売上を考えるうえで重要になります。

ただし、2026年3月期決算短信には個別の顧客名、顧客別売上高、上位顧客への依存度がありません。 顧客集中度や特定顧客との取引関係は、この資料からは判断できません。 海外売上比率が高いことは分かりますが、それだけで顧客の国籍や製造拠点を特定することもできません。

調達から販売までのバリューチェーン

決算短信の貸借対照表には、原材料及び貯蔵品、仕掛品、商品及び製品が計上されています。 これにより、材料を保有し、製造途中の資産を経て、販売可能な製品に変える流れが財務諸表上に表れていると確認できます。 ただし、具体的な仕入先、主要材料、外注工程、物流経路、検収条件は資料に記載されていません。

flowchart LR A["原材料・部品の調達
詳細は資料非開示"] --> B["製造・組立
仕掛品"] B --> C["完成した装置
商品及び製品"] C --> D["顧客への販売"] D --> E["売上高"] E --> F["売上代金の回収
営業キャッシュ・フロー"] G["研究開発"] --> B H["設備・無形資産への投資"] --> B

この図は、財務諸表の勘定科目を基に編集部が整理した概念図です。 個々の契約や製造工程を会社がこの順序で明示したものではありません。 装置の引渡し、設置、検収のどの時点で売上を認識するかについても、 今回の決算短信だけでは詳細を判断できません。

売上が生まれるまでの流れ

売上の起点は、半導体市場そのものではなく、顧客による半導体製造装置への投資です。 会社は、短期的な需給バランスや半導体価格の変化が激しくなっており、 半導体メーカーの投資動向が装置市場へ大きな影響を与えると説明しています(PDF 5ページ)。

flowchart TD A["データ社会・AIなどの需要"] --> B["半導体需要への影響"] B --> C["顧客企業の設備投資判断"] C --> D["半導体製造装置の需要"] D --> E["東京エレクトロンの販売"] E --> F["売上高"] F --> G["売上原価・販管費を控除"] G --> H["営業利益"]

受注、製造、出荷、検収、売上計上の詳細な期間は資料にありません。 したがって、受注した時点で売上になると説明することはできません。 売上債権や契約資産の期末残高は5,258億98百万円であり、 販売後に現金回収までの時間差があることは貸借対照表から読み取れます(2026年3月期、PDF 7ページ)。

主力事業と売上構成

東京エレクトロンは、2026年3月期決算短信で「半導体製造装置」の単一セグメントとしているため、 セグメント別売上高とセグメント利益の記載を省略しています(PDF 14ページ)。 これは、少なくとも本資料上、複数の独立した報告セグメントを並べて収益構造を見る会社ではないことを意味します。

確認項目 2026年3月期決算短信での開示
報告セグメント 半導体製造装置の単一セグメント
連結売上高 2兆4,435億33百万円
装置カテゴリ別売上 資料からは判断できない
サービス売上の内訳 資料からは判断できない
装置別利益率 資料からは判断できない

したがって、「どの装置が最も稼ぐか」をこの決算短信だけで順位付けすることはできません。 確実に言えるのは、会社全体の収益が半導体製造装置事業に結び付いていることです。 より細かな製品構成を調べる場合は、製品別売上を開示した別の会社資料が必要です。

国内・海外売上の構造

2026年3月期の国内売上高は2,394億27百万円、海外売上高は2兆2,041億6百万円でした。 連結売上高2兆4,435億33百万円に対する構成比は、国内約9.8%、海外約90.2%です。 構成比は公表値を基にした編集部計算で、金額の出典は決算短信PDF 4ページです。

区分 2026年3月期売上高 構成比
国内 2,394億27百万円 約9.8%(編集部計算)
海外 2兆2,041億6百万円 約90.2%(編集部計算)
合計 2兆4,435億33百万円 100.0%

海外売上の比重が高いため、会社は業績見通しの注意事項として為替レートの変動を挙げています(PDF 5ページ)。 ただし、為替が売上・利益へ与えた金額、通貨別の内訳、為替感応度はこの資料にありません。 また、国・地域別売上もないため、特定地域への依存度は判断できません。

利益が生まれる仕組み

利益の基本構造は、売上高から装置の製造などに対応する売上原価を差し引いて売上総利益を求め、 さらに販売費及び一般管理費を差し引いて営業利益を求める形です。 2026年3月期の売上高は2兆4,435億33百万円、売上原価は1兆3,356億52百万円、 売上総利益は1兆1,078億80百万円でした(PDF 9ページ)。

項目 2026年3月期 売上高比
売上高 2兆4,435億33百万円 100.0%
売上原価 1兆3,356億52百万円 約54.7%(編集部計算)
売上総利益 1兆1,078億80百万円 約45.3%(編集部計算)
販売費及び一般管理費 4,829億44百万円 約19.8%(編集部計算)
営業利益 6,249億36百万円 約25.6%

営業利益率25.6%は会社公表値です(PDF 1ページ)。 売上原価率、売上総利益率、販管費率は、決算短信の金額を連結売上高で割った編集部計算です。 装置別や顧客別の採算は非開示であり、全社平均から個別案件の利益率を推測することはできません。

売上と利益を左右する要因

会社は、業績見通しに関する注意事項として、国内外の経済状況、各種通貨の為替レート、 競争的な新製品の導入及び技術革新、半導体市場における需給バランス及び価格変動、 半導体メーカーの設備投資動向などを挙げています(PDF 5ページ)。 これらは将来予想が変動する要因としての会社説明です。

顧客の設備投資

投資の規模や時期が装置需要を左右します。

半導体の需給

需給バランスと価格変動が顧客の投資判断に影響します。

技術革新

新製品の導入や技術変化が競争環境を変えます。

為替

海外売上比重が高く、通貨変動は重要な確認項目です。

2026年3月期は売上高が前期比0.5%増えた一方、営業利益は10.4%減少しました(PDF 1ページ)。 この事実から、売上高だけで利益の方向が決まらないことが分かります。 ただし、減益を個別の価格、製品構成、原価要因へ分解する情報は決算短信にないため、 どの要因が何億円影響したかは判断できません。

固定費・変動費・製品構成の考え方

財務諸表では、売上原価と販売費及び一般管理費の区分までは確認できます。 販売費及び一般管理費には、給料及び手当559億15百万円、研究開発費2,778億66百万円、 その他1,491億62百万円が計上されています(2026年3月期、PDF 9ページ)。

しかし、これらを固定費と変動費に分けた開示はありません。 売上原価のうち、材料費、労務費、外注費などがそれぞれいくらかも資料からは判断できません。 したがって、「売上が何%増えると営業利益が何%増える」といった損益分岐の推計は行いません。

製品構成も重要になり得ますが、装置別売上や装置別利益率がないため、 2026年3月期の営業利益率低下を製品ミックスだけで説明することはできません。 投資判断ではなく事業理解を目的とする場合でも、開示されていない費用構造を断定しないことが重要です。

研究開発型ビジネスとしての特徴

2026年3月期の研究開発費は2,778億66百万円で、前期の2,500億17百万円から増加しました(PDF 9ページ)。 連結売上高に対する比率は約11.4%です(編集部計算)。 研究開発費は当期の販売費及び一般管理費として利益を押し下げますが、 将来の製品や技術を生み出すための支出でもあります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
研究開発費 2,500億17百万円 2,778億66百万円
売上高比 約10.3%(編集部計算) 約11.4%(編集部計算)

研究開発費が大きいこと自体から、研究成果や競争優位を断定することはできません。 どの技術へ配分したか、製品化率、開発期間、競合との性能差はこの資料にありません。 継続的に見る際は、研究開発費の絶対額だけでなく、売上高比率と営業利益の両方を確認する必要があります。

設備投資と減価償却

2026年3月期のキャッシュ・フロー計算書では、有形固定資産の取得による支出が2,089億84百万円、 無形固定資産の取得による支出が104億57百万円でした(PDF 13ページ)。 合計は2,194億41百万円です(編集部計算)。 同期の減価償却費は809億82百万円でした。

有形・無形資産の取得は、支出した年度に全額を損益費用にするものとは限りません。 固定資産として計上された部分は、利用期間に応じて減価償却などを通じて費用化されます。 そのため、投資を増やす局面では、当期の投資キャッシュ・フローと将来の減価償却費を分けて見る必要があります。

flowchart LR A["設備・無形資産への支出"] --> B["固定資産として計上"] B --> C["研究・生産・事業基盤に利用"] B --> D["利用期間にわたり減価償却等"] D --> E["将来の利益に費用として反映"] A --> F["投資キャッシュ・フローの支出"]

ただし、支出の目的別内訳や個別設備の稼働時期は資料にありません。 また、設備投資額のすべてが生産能力の増強に使われたと断定することもできません。 投資の成果を判断するには、今後の売上、利益、減価償却費、有形固定資産残高を併せて追う必要があります。

受注・販売・在庫の関係

2026年3月期末の棚卸資産は、商品及び製品2,860億52百万円、仕掛品2,105億70百万円、 原材料及び貯蔵品2,164億94百万円でした。合計は7,131億16百万円です(編集部計算、PDF 7ページ)。 前期末の合計7,491億25百万円から360億9百万円減少しました。

棚卸資産 2025年3月期末 2026年3月期末
商品及び製品 2,915億23百万円 2,860億52百万円
仕掛品 1,900億21百万円 2,105億70百万円
原材料及び貯蔵品 2,675億80百万円 2,164億94百万円
合計 7,491億25百万円 7,131億16百万円

在庫は将来の販売へつながる可能性がある一方、需要や仕様が変われば資金負担や評価損の要因になり得ます。 2026年3月期の営業キャッシュ・フローでは、棚卸資産の増減額が479億57百万円の資金増加要因として示されています。 ただし、受注高と受注残高は非開示のため、在庫がどれだけ受注に裏付けられているかは判断できません。

営業キャッシュフローと投資の関係

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは5,397億32百万円の収入、 投資活動によるキャッシュ・フローは964億92百万円の支出、 財務活動によるキャッシュ・フローは4,253億59百万円の支出でした(PDF 1・13ページ)。

営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローの支出額を差し引くと、 4,432億40百万円になります(編集部計算)。 ただし、これは記事内で資金の流れを理解するための単純計算であり、 会社が定義・公表するフリーキャッシュ・フロー指標ではありません。

項目 2026年3月期 主な意味
営業活動によるCF 5,397億32百万円の収入 本業などから得た資金
投資活動によるCF 964億92百万円の支出 固定資産取得などと有価証券売却等の純額
財務活動によるCF 4,253億59百万円の支出 配当と自己株式取得などの純額
期末現金同等物 5,054億14百万円 期末時点の現金及び現金同等物

投資活動によるキャッシュ・フローが、有形・無形固定資産の取得額より小さいのは、 投資有価証券の売却による収入1,173億87百万円などが含まれるためです(PDF 13ページ)。 投資キャッシュ・フローの合計だけで設備投資額を判断しないことが重要です。

競争力を支えるものをどう読むか

この決算短信から確認できる経営資源として、研究開発費2,778億66百万円、 期末の有形固定資産5,893億35百万円、無形固定資産375億31百万円、 期末現金及び現金同等物5,054億14百万円があります。 これらは、研究、事業運営、投資を支える資産や支出の規模を示します。

ただし、支出や資産が多いことと、競争優位があることは同じではありません。 市場シェア、顧客からの評価、装置性能、歩留まりへの貢献、特許、切替コストなどは資料に記載されていません。 よって、「競争力が高い」「代替されにくい」といった結論は、この資料だけでは出せません。

競争力の確認に追加で必要な情報

製品別の研究開発方針、装置別売上、市場シェア、顧客の採用状況、競合製品との比較、 知的財産、サービス体制などが必要です。 今回の記事では、研究開発と資産投資が事業を支える構造までを確認し、 その成果の優劣は断定しません。

収益構造が抱えるリスク

最大の構造的な注意点は、顧客の設備投資動向によって装置需要が変化することです。 会社は、半導体市場の短期的な需給バランスと価格変化が激しくなっており、 大手半導体メーカー等を中心とした投資動向の影響を大きく受けると説明しています(PDF 5ページ)。

設備投資の変動

顧客が投資を延期・縮小すれば装置需要へ影響します。

単一セグメント

半導体製造装置市場の変化が会社全体へ波及しやすい構造です。

海外売上

売上の約90.2%が海外で、為替や海外経済の確認が必要です。

技術変化

新製品導入や技術革新が競争環境を変える可能性があります。

在庫

需要・仕様の変化は棚卸資産の資金負担につながり得ます。

継続投資

研究開発と固定資産投資は資金と当期費用を必要とします。

なお、2027年3月期の会社予想は中間期のみで、通期予想は中間期決算発表時に開示する予定とされています。 中間期予想は将来情報であり、本記事の収益構造の説明には実績と混同して使用していません。

競合企業と比較するときの視点

今回の資料には競合企業名、市場シェア、装置別の性能比較がありません。 そのため、特定企業より優れている、または劣っているとは判断できません。 比較する際は、同じ会計年度、同じ会計基準、同じ事業範囲にそろえる必要があります。

比較項目 確認する理由
事業・装置の範囲 同じ半導体製造装置でも扱う工程や製品構成が異なり得るため
売上総利益率 製品構成、価格、原価の違いが表れ得るため
営業利益率 研究開発費や販売管理費まで含めた収益性を見るため
研究開発費率 売上に対する技術開発負担を比べるため
棚卸資産 在庫の規模と運転資金負担を確認するため
営業CFと投資額 本業で投資資金を生み出せているかを見るため

利益率だけで競争力を決めるのも適切ではありません。 研究開発を増やした年度は当期利益率が下がることがあり、 投資の時期によってキャッシュ・フローも変わります。 複数年の推移と事業内容を組み合わせることが必要です。

継続的に確認したい重要指標

東京エレクトロンのビジネスモデルを継続的に見る場合、 四半期の売上高だけでなく、利益率、研究開発、在庫、投資、現金回収を一つの流れとして確認します。

  • 売上高:顧客の設備投資が販売実績へどう表れているか
  • 売上総利益率:価格、原価、製品構成の総合的な変化が出ていないか
  • 営業利益率:売上総利益から研究開発費などを負担した後の採算
  • 研究開発費と売上高比率:技術開発への支出がどう変化しているか
  • 海外売上比率:海外需要と為替の影響を受ける構造が変わっていないか
  • 商品・製品、仕掛品、原材料:棚卸資産のどの段階が増減しているか
  • 売上債権及び契約資産:売上計上後の回収資金が増え過ぎていないか
  • 営業キャッシュ・フロー:利益が現金収入につながっているか
  • 有形・無形固定資産の取得額:将来へ向けた投資負担がどう推移しているか
  • 減価償却費:過去の投資が当期費用へどう表れているか

受注高と受注残高は今回の決算短信にありません。 今後、会社が別資料で開示する場合は、在庫や売上高と併せて確認することで、 需要から生産、販売までの時間差をより具体的に把握できます。

東京エレクトロンのビジネスモデルに関するよくある疑問

東京エレクトロンは何で稼いでいる会社ですか?

東京エレクトロンは、半導体製造装置を販売して売上を得る会社です。 2026年3月期決算短信では、グループを「半導体製造装置」の単一セグメントとして開示しています。

東京エレクトロンの顧客は誰ですか?

資料から確認できる顧客像は、半導体製造装置への設備投資を行う企業です。 2026年3月期決算短信には個別の顧客名や顧客別売上高が記載されていないため、それ以上の特定はできません。

東京エレクトロンの売上は海外が中心ですか?

はい。2026年3月期の海外売上高は2兆2,041億6百万円、国内売上高は2,394億27百万円です。 連結売上高に占める海外の割合は約90.2%です(編集部計算)。

研究開発費は利益とどのように関係しますか?

研究開発費は販売費及び一般管理費に含まれる費用で、当期の利益を押し下げる一方、 将来の製品や技術の開発に使われます。2026年3月期の研究開発費は2,778億66百万円でした。

受注高や受注残は決算短信で確認できますか?

今回参照した2026年3月期決算短信には、受注高と受注残高の数値は記載されていません。 この資料だけでは、受注から売上計上までの期間や受注残の水準を判断できません。

東京エレクトロンの競争力はこの資料だけで判断できますか?

研究開発費や投資額は確認できますが、市場シェア、装置別の性能、顧客評価、競合比較の情報はありません。 そのため、競争力の強さをこの決算短信だけで断定することはできません。

まとめ

東京エレクトロンは、半導体製造装置を企業向けに販売して収益を得る会社です。 2026年3月期決算短信では半導体製造装置の単一セグメントとして開示され、 連結売上高の約90.2%を海外売上が占めています(編集部計算)。 顧客の設備投資が装置需要につながり、販売によって売上が生まれるのが収益構造の中心です。

利益を見る際は、売上高だけでなく、売上原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費、 製品構成、為替、半導体市場の需給、顧客の投資時期を考える必要があります。 2026年3月期は売上高が前期比0.5%増えた一方、営業利益は10.4%減少しており、 売上の増減だけでは利益を説明できないことが分かります。

また、棚卸資産は材料、仕掛品、完成品という製造の途中段階を示し、 営業キャッシュ・フローは利益や運転資金が実際の現金へどう変わったかを示します。 有形・無形固定資産の取得と研究開発費は将来へ向けた支出ですが、 支出額だけで成果や競争優位を断定することはできません。

今回の資料には装置別売上、顧客名、受注高、受注残、市場シェアがありません。 東京エレクトロンを理解する際は、分かる数字と分からない情報を分け、 売上、利益率、研究開発、在庫、投資、キャッシュ・フローを継続してつなげて読むことが重要です。

参考資料

  • 東京エレクトロン株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」 (公表日:2026年4月30日、対象期間:2025年4月1日~2026年3月31日) 東京エレクトロン IRライブラリ
  • 連結業績、財政状態、キャッシュ・フロー:決算短信PDF 1ページ
  • 事業環境、国内・海外売上高、単一セグメントの説明:決算短信PDF 4ページ
  • 今後の見通しと変動要因:決算短信PDF 5ページ
  • 棚卸資産、売上債権、有形・無形固定資産:決算短信PDF 7ページ
  • 売上原価、売上総利益、研究開発費、営業利益:決算短信PDF 9ページ
  • 有形・無形固定資産の取得、営業・投資・財務キャッシュ・フロー:決算短信PDF 13ページ
  • 単一セグメントに関する注記:決算短信PDF 14ページ

編集部計算について

国内・海外売上構成比、売上原価率、売上総利益率、販管費率、研究開発費率、 棚卸資産合計、有形・無形固定資産取得額の合計、 営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フロー支出を差し引いた金額は編集部計算です。 表示上の丸めにより、内訳と合計が一致しない場合があります。